怒りと勢いに任せて引っ叩いた事を今更少しだけ後悔してた。話を聞いた方が良かったのかも知れないけど、それが出来るなら後悔なんてしてないだろうし、溜息も出ない。
「随分浮かない顔だね『リトルフラワー』さん。」
「誰?!」
「憐梨さんの代理で派遣されました風名揚羽、コードネーム『ハートのジャック』
です、初めまして。」
「ああ、そう。ヨロシク…。」
ぼんやりしてて迂闊にも背後を取られた…この私が…?!長い髪にこの服…見た目からしてチャラそうな…。こう言うタイプには関わっても疲れるだけなのよ…癇に障るというか…。ここはもう無視が一番、って事で無視無視!
「ああ、ちょっと待った待った。」
「痛っ!何するのよ?!死なすわよ?!人の髪引っ張るとか何な訳?!」
「今行かない方が良いよ。」
「知らないわよ!」
ああ、もう!何なのよ!!気分悪い!!ああ言う奴世の中の為に消えて欲しいわ!女の敵な男は皆死ねば良いのに!
「…だから、もう良いって。」
エレベーター側から声がした。立ち聞きは不本意だったけど出て行ける空気でもなかったから、そのまま影に身を潜めた。
「でも、あたしのせいで皆誤解したままで…。」
「別に、花壇にイラ付いてたのは本当だし、お前に先越されただけだ。」
「…課題、どうするの?彼女にも誤解されちゃったんでしょ?えっと、
『リトルフラワー』さん…。」
「ま、俺も女の敵認定なんだろ。」
何…?どう言う事…?『あたしのせい』って何…?彼女が花壇閉じ込めたって事…?それで…フノオは庇ったって事?何で…どうして…?馬鹿じゃないの?!守銭奴のクセに…チャラ男のクセに何カッコ付けてんの?!叩いちゃったじゃない!馬鹿って言っちゃったじゃない!どうしてくれるの?!どうしたら良いのよ!!
「あたしで良ければ今度の課題のペア組もう?」
「それ、同情?」
「そうかも…やっぱり迷惑かな?」
「一億円でも目指しますか?お姫様。」
「し、真剣に謝ろうと思って…!」
「判ってるよ、ありがとう…。」
思わず飛び出しそうになった。だけど誰かの手が口と腕をグッと掴んだ。振り返らなくても目の端に映った髪で直ぐに判った。
「今出てったら課題妨害。」
「…っ!」
「ふーん…あいつなんだ?趣味悪いね。」
「んぐ…んんっ!」
「サポート決まっちゃってるみたいだし、ここはあいつ等負かす方向で行ってみない?
例えば…あいつ等嫌ってる組のサポートするとかさ。」
「…?!」
「ま、どうするかは任せるよ、頑張ってね『リトルフラワー』さん。」
触られた所が気持ち悪くて思い切り擦った。ああ、もう!どいつもこいつも…!!
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初登場から結構なかっ飛ばし…。
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確認大変遅れてしまいましたっ!!!!申し訳ございません!!
何このあげは!ステキΣ(゜д゜ ;)
毎回楽しく読ませていただいておりますのでうれしすぎるっ!!
ほんっとにありがとうございます!!!
2010/09/06 01:01:12