米をはしではさんでから
口の中へ運ぶまで
空気の流れがはつきりと
動いて見えるのがわかるよ
机の上にはほこりが積もり
風に吹かれて湯呑みに入つてゐる
景色は異常にゆつくりだけど
思考は鳥のやうに速い

銅像の虎、動く
油断してゐた世界で
このままぢやだめになると
思ひながら動く

ほつぺたの肉を緩ませて
笑ひ顔に変へる時
空気の流れがゆつくりと
ゆらいで見えるのがわかるよ
心臓の鼓動がいつしか
田んぼのかえるに変つていく
星空に耳をすまし
自分の足音を聴く

銅像の虎、動く
本気を失つた世界で
今ここから飛び出さうと
思ひながら動く

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銅像の虎、動く

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投稿日:2019/12/30 13:26:33

文字数:269文字

カテゴリ:歌詞

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