私には兄さんがいます
-あにといもうとかけるよん-
私が朝起きるといつでも必ず兄さんの方がさきに起きています。
そして、いつも朝食を作っていてくれます。
今朝もすでに台所に立っていました。
「あ、ラン!おはよう、いい朝だね~」
「兄さんはいつも早起きね…。私もそこまで遅くないと思うんだけど」
「もう早起きが癖になってるのかもしれないなぁ」
「それ、ラビに言ってやって。あの子は絶対早起きできない子だから」
そうだね~、といいながら兄さんが手を動かすたびに、トントンと包丁が切る音が私は結構好きだったりします。
何か手伝おう、と思って食器を出そうと食器棚に行こうとしましたが…兄さんの後ろを通らなければならないのです。
しかも、包丁を持った兄さんの…
普通の人なら特に恐怖を覚えることはないと思いますが、こういっては悪いですが兄さんはとんでもなくドジで運がありません。
後ろを通った時に包丁を持ったまま振り返られて、脇腹でも切られたらたまりません。
兄さんの手が止まるのを見計らって行かなければなりません。
ふと、兄さんが手を止めて包丁を置いたのをみて私はすかさず進みます。
「ラン?どうしたの」
私が後ろを通っている時兄さんが振り返り、兄さんの手が置いていた包丁の持ち手に当たり
ヒュ…ッ
思わず身の毛がよだちました。
さっきまで私の足があったところに包丁が床に突き刺さっていました。
「ラン!大丈夫!?怪我はない!!?」
「え…えぇ。包丁は床に刺さっただけよ。私はなんともないわ」
「よかった…」
兄さんのほっとした笑顔を見ると、私も安心できるのですが…こんな状況が兎音家の日常茶飯事なのです。
今日も我が家は平和です
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