明け方すぎの朝方３時
僕がいなくなるまで僕が消えるまであと2時間

駅のホームで電車を待っていると
まるで幻かのように君が現れた



「どうしてここに?」
「あなたが好きだから」
「好きだからこそ離れなければいけない…」
そう言う僕に君はキスをする


些細なことで思い出せるけど
それまでが只怖くて周りや君を傷つけてきた

何度君を忘れても僕はまた思い出したけど
君が傷つくのはもう見たくないんだよ

「せめてこれを受け取って」
君は僕に指輪を渡す
「あなたのためのピンキーリングよ」
本当に君は優しいな




離れたくないよ
忘れたくないよ
ずっと愛していたいよ




神様あんたはひどいよ
どうして好きな人と一緒にいさせてくれないのですか?
どうして僕の記憶は朝5時でリセットされるのですか?



もうすぐ5時だ記憶が消える
必ず治して帰ってくるから、なんて言えない
治るかすらわからないのに
それでも一筋の望みにかけてみる


君をずっと愛し続けていたいから


病院の住所と君の写真を握り締め
電車に乗り込む
涙と共に記憶が流れる
知らない人の写真なのに知らない指輪なのになぜかそれがとても愛おしく感じた

「また会う日まで今はさようなら」