【インナーチャイルド】
「ごめんなさい」がすぐ言えるように、
「お利口」な大人になれるように…
湿っぽい、肌寒い
薄暗いコンクリートの部屋
叱られた後に
私がたどり着いた場所
手を引かれた痛みなんかよりも
胸の奥が軋むんだ ねえ…
S
求められた言葉さえも
涙が邪魔してくるんだ
喉元が慌てるたび何も言えない
私を残し立ち去る背
温もりは感じなかった
劈くような泣声(こえ)が無機質に響く
鋭い、爪先(つめさき)
右腕に突き立てる癖
残った傷跡、
見る度に孤独に耽る
大きな手ではじかれた心は
居場所さえも探せずに、ねえ…
S
心なくしたつもりでも
生きたいと思ってたから
不安なときはあなたの背に隠れてた
今日まで生きてみてしまった
何もわからないままで
私の存在は何を証明(いみ)してるの?
「ごめんなさい」がすぐ言えるように
「お利口」な大人になれるように…
S
…私だけの為にくれた
少しだけ歪な愛は
確かに肯定してくれた日もあって
取り残された部屋の奥
泣くことをやめればすぐに
あなたはドア開けて迎えにきてくれた…
S
咎められた汚い台詞
雨音に隠して吐いた
今更、器用になってももう遅いよ
私を傷つけたあなたを
悲しませたくはないから
「愛されてたこと」は信じて生きていい?
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