「三人とも何してるの?」


声を発したのはポケットに水色の音符がついた青いエプロンをしたカイトだった。

カイトは三角に折られた折り紙をもっていた。

その横にはリンたちと同じスモックに緑色の音符のワッペンをつけ、「初音ミク」と名前が書かれた女の子が並んでいる。


「あっカイト先生!」


後ろを振り返り一番に声を上げたのはメイコだった。

メイコは立ちあがってカイトのほうを向いていた。

その声で遅れて隣の二人もカイトの方に向かう。


「みんなでね!幸せの四つ葉のクローバー探してたの。」


楽しそうにメイコが説明するとカイトはみんなの目線に合わせるかのようにしゃがんだ。


「わーなにそれーミクも探す!」


話を聞いたミクがさっきまでメイコがいた場所にしゃがみこみ目を左右に何回か動かす。


「先生も昔探したなぁ。あれなかなかみつかんないんだよね。」


カイトは探しにかけていったミクを見て昔を思い出しながらそういうとみんなを見て微笑んだ。


「先生はなんか用事があってきたんじゃないのか?」


レンがカイトがもっている折りかけの折り紙を人差し指で指差しながら言った。


「そうそう。実はねルカ先生とがくぽ先生が結婚することになったんだ。
だからみんなで折り紙を折ってプレゼントしようってミクちゃんと相談してて、みんなを呼びに来たんだ。」


淡々と同じテンポでカイトは説明をしていく。

話を聞いている三人のうちメイコとリンは結婚という単語が出た瞬間に目を開いて「えっ?!」と小さく声を漏らした。


「へぇ~で、先生は結婚しないの?」


レンは動揺はせず、カイトに質問し薄笑いを浮かべていた。

カイトはこの質問は予想していなかったらしく少し呆気にとられていたが、すこしするとにこにこし始めた。


「先生と結婚してくれる人いるのかなぁ。いるといいな。レンは結婚に興味があるのか?」


レンの頭に右手を乗せ、にこにこしたまま髪をくしゃくしゃっと触った。


「べっ別にっ。」


レンは少し下を向いてちじこまり、迷惑そうに片目を瞑りながら言った。


「先生!」


急に声を発したのはメイコだった。

メイコは何かを隠すように手を背中にくっつけ、カイトに少し近寄った。

呼び止められたカイトはレンから手を離し、ぐるりと方向転換するとメイコの正面を向いた。

リンは左手を後ろにし、レンは髪をてぐしで直しながらその様子を近くで見ている。

ミクは四つ葉のクローバー探しに飽きてきたのかカイト達のほうに戻ろうとしていた。

カイトが目を合わせているのに対し、メイコはカイトと目を合わせようとしなかった。


「私が大人になったら先生と結婚してあげるからね。」


メイコはそういうと手に持っていた四つ葉のクローバーをカイトの目の前に差し出した。

恥ずかしさからか斜め下を向いた顔は少し赤くなっている。


「あーメイちゃん四つ葉のクローバーだ。凄い!」


戻ってきたミクがメイコとカイトの間にたって目を輝かせていた。

カイトは目を丸くしたが、すぐに満面の笑みになった。


「先生にくれるの?メイちゃんありがとう。」


カイトはメイコの顔を覗き込むようにそう聞くと、メイコが一回うなづくのをみて四つ葉のクローバーを受け取った。

様子を見ていたレンはさすがに愕いたのかリンのほうを向きながら話しかけようとした。

しかしリンはレンが予想していた驚いた顔でもなく、ミクと同様四つ葉のクローバーに目を輝かしているわけでもなかった。

リンの顔はクローバーを探していたときよりも曇っていて、手には地面に向かってたれた四葉のクローバーが見えた。

レンはリンに近寄ると体で見えないようして、左手でリンの右手をぎゅっと握り締めた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

幸せのクローバー:後

幼稚園パロが書きたかったんですヽ(*´∀`)ノ
カイトはよくエプロンが似合うと思います。
優しさがにじみでてるというか・・・。
あと私的にはメイコの子供のころはめっちゃ可愛いと期待してます←

どうしてもメイコに「結婚してあげるっ」てフレーズを言わせたかった(´・ω・`)これをみた他の先生たちはカイトをロリコン扱いしそうですけどw

幼稚園パロはまったので他の話も書こうかなと考え中。
とりあえず次こそは完全なハッピーエンドを!

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投稿日:2010/06/12 02:07:13

文字数:1,585文字

カテゴリ:小説

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