*****第2話*****
タッタッタッタッタッ……。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
私は、1本の大きな木の下でうずくまる。
たった今――“仕事”が終わった。
でも、
この“仕事”以外にもまだ“依頼”されてる“仕事”がいくつもある。
リストを見て次の“仕事”を確認し、
移動しようと思って立ち上がった時だった。
「……あの」
頭の上から声が降ってきた。
「……へッ……??」
ビックリして変な声が出てしまう。
上を見ると、黒髪の男がこちらを覗きこんでいた。
カッコいい――…。
その男を見た瞬間、ふいにもそう思ってしまった。
……いけない、いけない。
「あの……大丈夫ですか??」
1人で首を振っていると、その男が口を開いた。
「えっと……何が??」
どこもケガしてないのに“大丈夫??”なんて
聞かれたら今の私の反応は普通だろう。
でも、その男は私の言葉を聞いた瞬間驚いた顔をした。
「だって……服に血が」
「血??」
男の言葉に反応して自分の服を見ると、真っ赤な血で汚れていた。
走るのに夢中で全く気がつかなかった。
「あー、これは……」
何か言いわけをしようとした私の言葉を、男は軽々とさえぎった。
「……何持ってんの??」
「え……」
男は、私が右手に持っている銃の存在に気付いたようだった。
「……銃??」
「あ、うん……」
男の言葉をあっさりと認めてしまう私。
ホント何やってんだか……。
普通の人間なら銃を持った私を見て逃げるだろう。
でも、男はそれをしなかった。
逃げずに、私の隣に座り込んだ。
「俺さ、春って好きなんだよね」
「……はい??」
いきなり喋り出す男。
意味が分からない。
さっきまで敬語だったくせに、いつの間にかタメになってるし。
別にいいんだけど。
明らかに男の方が私より年上だろう。
そんな事を考えてると、男が寝転がった。
「ちょ……何やってんの??」
「君もやってみな。気持ちいよ」
そんな事を笑顔で言う男。
「うん……」
素直に従う私。
「てかさ、君の名前は??」
「え……あ……グミ……」
「グミ??いい名前だね」
「……そっちは??」
そう言うと、男は優しく微笑んだ。
春――。
私は、出会ったばかりの……行動の読めない男に恋に落ちた。
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