道化師が見たのは、いつもの平和な世の中。
道化師が見たのは、いつもの混沌とした安定。
道化師が見たのは、いつもの…
虹が掛かっていた。
青い青い、どこまでも果てしなく高い空に。
誰もがそれに気づかない。
都会の街中において、足を止め、空を眺める人はいない。
道化師は見ていた。
青い青い、どこまでも果てしなく高い空を。
誰もがそれに気づかない。
都会の街中において、足を止め、空を眺める道化師には。
全ては真実。
全ては偽り。
そのうち、虹は消えた。
誰からも、その消滅を悟られること無く。ただの一人を除いては。
それでも、世界は回っている。
そのうち、道化師は消えた。
誰からも、その消滅を悟られること無く。ただの一つを除いては。
それでも、世界は回っている。
真実を知ると言う者は、大抵が偽りである。
偽りを知るという者は、大抵が真実である。
虹が消える直前。
道化師は涙した。
道化師が消える直前。
虹は力強く見えた。
前に虹を見たのはいつだった?
前に足を止めたのはいつだった?
目に見えるものだけが真実か?
目に見えないもののは偽りか?
虹はまた出てくるだろう。
その時、誰かが足を止めるかはわからないけど。
虹はまた消えるだろう。
その時、誰かが気に留めてくれるかはわからないけど
答えは行く通りでもあるけれど、
道は一つしかないし、やり直すことは出来無い。
それでも、人は歩くのだろう。
その先にある、未来を信じて。
虹が見下ろしていたのは、いつもの忙しなく揺れる都会の町並み
虹が見下ろしていたのは、いつもの決して止まる事の無い世界
虹が見下ろしていたのは、いつもの…
僕が見たのはなんだった?
僕が見たかったものはなんだった?
それが、多分、真実。
先の見えない、未来。
今の僕に出来ることは、ただ、しっかりと前を見据えて歩くこと。
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