遥か頭上の世界では
もう朝になるというのに
ここは一切の光もない
水底の暗闇

見たことも無いままならば
心揺らぐことも無かった
不意に見えた一筋の光
現か幻か

見える場所まで来ても
その先には決して進めない
これ以上進んだらきっと
生きては帰れないから

叶わない夢でも夢見てしまうのは
ただこの世界から逃げ出したいだけなんだ
水槽よりも限りなく広いのに
逃げ場のない深海魚の
憂鬱は続く


小さなその体よりも
もっと小さな胸の中
芽生えてしまった好奇心は
残酷な現実

光求め死を選ぶか
闇で雑魚らしく生きるか
選択肢は二つに一つだ
逃げは赦されない

知ってしまった以上
心は烈しく揺さぶられる
進むのか戻るのか早く
決めなければならないの

届かない空でも躰を伸ばしたら
光に届きそうな錯覚に溺れてしまう
手も無いのに人並みの欲望に
気付いてしまうのが怖い
いっそ喰われたい


目覚めた瞬間から
全ては暗闇だった
やがて何も見えない世界が
たまらなく愛おしく
そして狂おしく


届かない空でも躰を伸ばしたら
光に届きそうな錯覚に溺れてしまう

叶わない夢でも夢見てしまうのは
ただこの世界から逃げ出したいだけなんだ
水槽よりも限りなく広いのに
逃げ場のない深海魚の
果てない憂鬱

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

深海魚の憂鬱

閲覧数:46

投稿日:2018/07/19 09:50:43

文字数:547文字

カテゴリ:歌詞

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