ミク☆未来★キャビネット 第三話「サクラノイブキ」

投稿日:2011/07/18 01:17:46 | 文字数:1,472文字 | 閲覧数:55 | カテゴリ:小説

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半年ぶりかぁ・・・。
部活を極めるとここまでになるんですね。
お待たせしました。
今回もどうぞお付き合いください。

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TEXT
 

「……国民が大変な目にあってるというのに、ハイヤーで来るとはすごい度胸ですね。新総理」
まず最初に言われた言葉がそれだった。
私はそれに返す言葉が見つからなかった。
「財政破たんを起こしても、結局政治家は何にも変わらないんですね。」
「もういいですよ。誰も期待してませんから。」
……いきなりの大失態だった。私もその日を知っていたのに━━━━━


「本日日本国政府は、IMF国際通貨基金より6億万ドル、約50兆4000億円の支援を受けることを正式に決定いたしました。」
「日本は、財政破たん。融資金額はIMF史上最高額とも……」

ちょうど数年前。日本は膨らみに膨らんだ国の借金、国債の返済ができなくなり、会社で言う倒産。いわゆる財政破たんをしてしまった。
皮肉にも世界は景気が良くなり、活気を取り戻した矢先だった。

私はその時高校生。そのニュースが入ってきたときは、父が絶望していたのを覚えている。
「日本はもう落ちるところまで落ちてしまったのか……沙希、すまないな。俺たち大人のせいで君たちの世代が不幸になってしまうかもしれん。」

実際、その言葉通り破たん後数年間で、高校・大学を卒業した人々は、
「ミゼラブル・ジェネレーション」と呼ばれ、仕事を探す日々が続いている人が多数出た。私も、この政党に入らなければたぶん、そうなっていたと思う。
だけど、私はその世代の中でおそらく一番の大出世を遂げた。一議員から総理大臣へと、一気に駆け上がった。
だから、天狗になっていたのかもしれない。そして、現実を突きつけられたの。
その場に立ちすくむしかなかった。
就任早々……まだ就任すらしてないっけ。
とにかく、修羅場が訪れていた。
その時だった。

「……桜井新総理、日本を桜吹雪にして下さいよ。」
白い眼の人々の中にその声が聞こえた。
「えっ?」
「もうあんたしか、この国を変えられないんだよ。ひと花咲かせて見せて下さいよ。あのサクラのように。」
そう言い、国会正門の横に植え付けられているサクラの樹を指差した。

満開だ。満開の、日本らしい桜が花を咲かせていた。

「周りはどうだか知らんけど、俺は期待してますよ。」
「誰なの。どこからしゃべってるの?」
記者の人たちを見回しても誰が話しているのかわからない。
みんな、口を閉じているから。
「名乗るほどじゃない。ただ、『ミク』にお前の『未来』を託した者とだけ覚えていてくれればそれでいい。」
「え、え?」
「そんじゃあな。桜井総理。」
誰だったのだろう。でも、その人の言うとおりだ。私が、日本をもう一度作らなきゃいけない。ひと花咲かせなければいけない。ネガティブになってる場合じゃない。

「記者の皆さん、すみませんでした。これから先、私は歩いて国会に参ります。私自身、数か月前まで女子大生でした。なので、体力はあります。歩いてなら、一切のお金もかかりません。首相官邸にも住みません。私の自宅からこの国会まで行かせていただきます。」

これが一番の良策だった。
後で調べたんだけど、かつて同じことをしていた総理大臣が一人だけいた。
ともかく、その場は何とかおさまった。とはいえ、まだ誰も信じようとはしないと思う。
私がこの国に桜吹雪をふかすまでは。


国会の中に入り、総選挙が終わってすぐできた、「代表室」という部屋に入った。
この党のトップ、つまり今は私が常にいることになる部屋。
5分後に大事な話し合いが始まる。その時だった。
「さ~き~。いる~?」
と、聞き覚えのある声がした。

小説が私の命です。
学校でも文系教科だけで学年上位を取ってます。
文章のみが取り柄の長野県民です。
どうぞよろしくお願いします。

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