降り注ぐ強い雨。
パステルカラーの傘を持った少女が、浮かない顔でパタパタ歩く。
お母さんとけんかしちゃったからお家に帰りたくないなー。
朝ごはんきらいなもの出すんだもん。
ぽたぽた雨は降り注ぐ。
傘の下でも土砂降りのよう。
そうだ、とおまわりして帰ろうっ
てくてくてくてく、大冒険。
知らない道をてくてくぱたぱた。
ふと現れる小さなお池。
そのお池には
なんだろう?これ?
少女の知らない蛙が一匹。
みどりで、おめめクリクリで、膨らんだりへっこんだり、へんなやつ
蛙を一通り形容したら
ぴょこんぴょこんと
飛んで跳ねて蛙が帰る。
わぁ、ぴょこんっていった!ぴょこんって!
しばらくわーわー喜んで
しばらく蛙を観察したら
心配顔のお母さん。
お母さん、迎えに来てくれたんだっ
喜び喜び母の元
飛んで跳ねて母の傍
ねぇ、お母さん?みどりのひょこひょこするのってなーに?
少し考えお母さん
それは蛙よと
閃き顔で
へぇー!かえるっていうんだ!!
いつしか空の泣き顔も消え
空にも人にも笑い顔
ある日の町並みの少女の話。
何処かで起こってるかも知れない話。
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