夏のにおい　風に乗って　

嬉しそうに　僕に告げる

また今年も　やってきたよ　

姿のない　君に会うために

いつもみたいに視線を感じて

何気ないフリして振り向いて

目を凝らして見てみるけれど　　　見えない

飲み込まれそうな青さと入道雲を見上げては

今日もまた木陰を行くんだ　　　　気配だけ




駄菓子屋さんのアイスキャンディー

君の分も買っていこう

今年こそは　何か変わる

気がしたんだ　ただの勘だけど

突然の風に驚いて　飛ばされてしまった帽子

追いかけて走って走って疲れ

地面にへたりこんで土と草のにおいに包まれ

もう帰らなきゃ　そう思った瞬間

僕の元に突然舞い降りた帽子

消えたアイスキャンディ

君が届けてくれたんだね





見たいけど見えなくて　見えそうで見たくない

見たくても見せないし　見えてても見えないな

見たいのに見えなくて　見えそうだ見たくない

見たくても見れないし　見たいけど見えないの



夏休みも　終わってしまう　

そろそろ僕も帰らなきゃ

次に会えるのは　来年

それまでは　長いなぁって

しみじみと考えながら　ふと寂しいと思うのは

きっと君も僕も一緒　だから

また夏が恋しくなって　夏休みが待ち遠しいな

今度会えたときは　見えたらな

僕に”レイカン”とかあればいいんだけど　ないみたい　だから

少しだけ努力してみるよ


（見てみたいな　見れないかな）

（見たいけれど見たくない　　見たくないけど見たいよな）