【一幕】悪ノ物語【悪ノ召使独自解釈小説】

投稿日:2009/02/05 10:48:17 | 文字数:1,953文字 | 閲覧数:1,051 | カテゴリ:小説

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悪ノ召使のあくまでも偏見による独自解釈の二次創作です。
あくまでも一つの妄想ストーリーとしてお楽しみください。
出来るだけ美化しないように書いているつもりです。
また、作品としては人間らしく汚くて、綺麗で、もがいて苦しんでいる彼らの様が伝わればうれしいです。
レン視点で進めているのでレンが知り得る事しかかけていません。事象は矛盾しないようにしていますが、感情は矛盾だらけで沢山彼が苦しみます。
なお、時代背景はファンタジーではありますが、なまじそれっぽい(歴史っぽい)流れがあります。作者の不勉強故、おい、おかしいよ!という部分はあるとは思いますが流してやってください。すみません。

文章にかんするご意見、ご感想はいただけると糧になります。

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TEXT
 

『悪ノ召使』一幕




「ねえ、レン。レンはどうして髪の毛伸ばしてるの?」
「願掛けですよ。」
「願掛け?」
「姫様が幸せになれますようにって。」
「ふーん。」

君は知らない。僕は教えない。
僕の髪が長い理由も。
僕の指がこんなに綺麗な理由も。
僕の爪が磨かれている理由も。
僕の体が鍛えられていない理由も。
僕の生きている理由も。

「それより姫様、お勉強の時間ですよ。」
「えー、いいじゃない。今日はお休みしましょ?」
「だめですよ。女王様にどやされてしまいます。
 姫様はこの国を統治するために、たくさん学ばねばならないのですから。」
「はいはい、わかってますぅ。あーあ、勉強なんて大嫌い。」

そう言って唇を尖らせた僕の姫様は、
あまりに純粋な笑顔を僕に向け、
勉強が終わったら遊びましょう。といった。








彼女は無垢だ。無知で、無邪気で、それゆえ残酷だ。








絵にかいたようなお姫様。
僕の姫様。





これは僕の話。
僕が知りうる僕のすべて。








君と僕が生まれたその日、国が祝福に包まれた。
教会の鐘が鳴り、それは絵に描いたようであったという。
王族の吉報により、その日は市民にはパンが配られ、城下町では酒がふるまわれた。
僕らの母は女王であった。
この国は女王による絶対王政により代々統治されいた。
母は有能な統治者であり、隣国との関係も、安定していた。
母は完璧な女王であり、非情な現実主義者であった。


この国ははじめ、男によって統治されていたらしい。
しかし、男の王達は野蛮で度々隣国と戦争をし、金を、国民の命を湯水の如く浪費した。
すぐに滅びると思われいたこの国は、ある王妃により再興した。
しかしその後、安定するわけではなく、再び男の王が戴冠する。
その後、再びこの国は存亡の危機を迎えた。
そうして、この国では、男の王位継承は禁忌とされた。


故に僕らが生まれた瞬間、王位継承権は当然姉が握ることになった。


そして、男である僕は不要の存在であり、
野心を持ち育った僕が王位に目をつけることを危惧した国の伝承のもと、
僕は殺されるはずだった。
男児は危険因子でしかないのだ。



ただ、僕の母は有能な統治者で現実主義者で、堅実な女性だった。




僕とリンは双子だった。
そして、母は僕が生まれてすぐに双子の弟の存在をもみ消した。




姫様は一人っ子となった。




僕の存在を知るのは母と、リン、それから一部の重臣だけであった。
僕は存在しないはずの人間となった。
便宜的に名前だけはある。
僕は期限付きで命を手に入れたのだ。
期限は、僕が男になるまで。
君と瓜二つじゃなくなるまで。
リンは知らない。
僕の期限も、僕が本来存在しない人間であるなんてことも。






それから、

僕が君の身代わりであることも。







姫様が帝王学を学ばれている間、僕も帝王学を学ぶ。
姫様に危険が及ぶ可能性のある行事はすべて僕が行く。
そして、僕はドレスを着て笑い、姫様になるのだ。
もし、姫が狙われても、死ぬのは、いるはずのない影。
合理的な話。
僕は国の歴史、国の現状、すべての汚い所を学ぶ。
姫様は国の美しいところを学ぶ。
自分の貴さを学ぶ。


母は賢かった。重臣も優秀だった。
だからこそ姫様は知らなかった。
母は時間をかけて姫様に教えるつもりだった。
ゆっくりと苦しまないように、少しずつ責任を彼女の細い腕に委ねるつもりだった。





まさか、自らがこんなに早く死ぬなんて考えていなかったのだ。







女王崩御は姫様が10つの時だった。
とはいえ、重臣の働きもあり、姫様は国政にほとんど携わらなかった。
彼女は、政治への興味のない王妃だった。
母を亡くし、泣きじゃくる憐れな僕の姫様に家臣は甘かった。
僕も、当然いとしい僕の姉のために何でもしてやろうと誓った。



故に姫は堅苦しい儀礼の場には出ず、そもそもそんな儀礼自体知らず、
ただただ甘やかされ、可愛がられ、育った。


いつまでも純真な姫様だった。








これは僕らの犯した大罪だ。
彼女は自らの尊さは知っていても自らの尊さの理由、責任なんて知りはしなかった。
先のばしにした僕らが教えなかったからだ。
彼女は栄えた町しか知らないし、お金の稼ぎ方も食物のできる過程だって知らない。洋服のできる過程もまして国という集合体の存在意義など知るはずもなかった。







可愛い姫さま。罪人は僕らだ。だから泣かないで。






薄情で八方美人な神様。
僕はあなたへの人柱になるよ。
だから姫様には溢れる幸福を与えてください。

文字を中心に自由気ままにかいてます。
動画投稿とかは時間もないのでちいと無理。
構ってもらうと喜びます。

ひんぬーを愛してますがバカや変態も好きです。
新人潰しに定評のあるミクさんと、けちょんけちょんな兄さんがすきです。

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