まさか、こんなに長引くとは思ってもいなかったのだ。いつもと同じように、次の日の朝には普段通り接せれると、勝手に思っていた。



一昨日の夜、この日は親の帰りが遅いと聞いていたため、姉弟二人で夕食を食べていた。

その日は月曜日で、私…鏡音リンは来週の土日の部活について考えていた。もうすぐ、秋の合唱コンクールがある。合唱部は、それに学校の代表で出場する決まりで、私は合唱部なので、そのコンクールに出なければならない。

コンクール自体が嫌なわけではないが、私は合唱部1年の中で、一番歌が下手なため、顧問の先生や先輩にすごく怒られる。
…それが、とても嫌なのだ。


それは、コンクール前になるとなおさら。
顧問の先生や先輩はピリピリしているのに、全体的に下手な1年生に対してもっと苛々していき、どんどん機嫌が悪くなっていく。

…まぁ、私は部活のことなど家族にはあまり話さないのだが。
でもなぜかこの日は、独り言のように呟いてしまった。


私のこの一言から、喧嘩が起こってしまうなんて、考えもせずに。

「はぁ…。来週も部活だ…」

すると、それまで黙々と食べていた私の双子の弟…鏡音レンが不思議そうな顔をして訊いてきた。
「嫌なの?」


ちなみにレンは美術部で、1年生の中で、副部長をやっている。
美術部は土日の活動がほぼないので、土日の休みが全然ない私としては、とても羨ましい部活であった。

私の愚痴を聞いてくれようとしている、のかはわからないけど、嫌な顔をせず質問してくれたレンを見て少し嬉しくなり、私は正直な言葉を返した。

「そりゃあ、嫌だよ」
「え、なんで?」

なんで!?
そんなこと言われても…。と、思いながら、レンの質問に対して答えを返した。

「なんでと言われても…。先生とか、怒るし…。体力作りは、凄くキツイんだよ!」
「へぇ…。来週も一日?」

っ!

始めはこの会話に気乗りしていた私も、レンの無神経さにだんだんイライラしてきた。
「来週も…って、私の部活の予定表あるんだから、見ればいいじゃん!」
「は、何?急に怒らなくたっていいだろ。ていうか見てなで知りたくもねぇし」

私のイラつきは、少しずつ増していく。
なぜなら、私はほぼいつも土日は一日練習があるのだから、もう少し気を使ってほしい。

でも、話は続ける私。
「すみませんね。一日ですよ、悪い?」
「悪いだなんて言ってねぇよ。でもそれだったら同じだな。俺も来週の土曜、一日だから嫌でさ」

え…、一日?

私はレンの「一日」という単語を聞いて、一瞬嬉しくなった。
レンも私と同じように、部活で自分の自由時間が潰れてくれる、と思ったから。
…次の言葉を聞くまでは。

「10時から15時までなんだぜ。一日の真ん中部活って、マジ最悪」
私は固まった。


だって、なめ過ぎている。
その話を聞いている私は、「一日」ということは8時から18時までが当然なのに、レンはたったの5時間だけで「一日」なんて言っているのだ。

美術部のレンが、私と同じ気持ちを味わってくれると思うなんて、甘かった。

当たり前なことなのに。
大体、一日だったとしても、レンは友達と話をしながら作品を作れば良いのだ。きっと楽しいのだろう。
いつ地獄のようなメニューをやれと言われるのか、不安な気持ちでいっぱいの私とは、違う…。

そんなことを思っていると、言いたくもなかったことを、私の口が勝手に話し始めた。
「美術部の予定は、誰が決めてるの?」
「うーん…、大体は部長、じゃね?顧問も少しは決めてるけど」
「じゃあ、その『部長』はバカだね。実質半日分しかない活動時間で『一日』なんて言っちゃうんだからっ」

レンは「はぁ?」という顔をしていた。私も、そんなこと言いたくはなかったのに。
口は、私の意思など訊かず、動き続けた。

「私は一日の時はいつもレンの活動時間の倍はやってるんだから!歌うだけじゃないし、歌うのだって体力いるし!美術部はのん気でいいなぁ!レンも副部長なんだから、なんか言ったら?」

声に力がこもっていた。
レンは、そんな私をうんざりした顔で眺めていただけだったが。


私が言い終えると、レンは私を睨みつけながら「最っ悪。」とだけ呟いた。
そして、食べ終わった自分のお皿を運び、機嫌悪そうに食器を洗い始めた。

私もレンのその行動にイラついて、大きなため息を吐くと、レンが低い声で言った。
「リン、自分の皿は自分で洗えよな」
「分かってるよ」

私のことを見ようともしないで話すのは、普段あまり怒ったりはしないレンが、本気で怒っている証拠だった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

フィーリング * 1 *

久しぶりの投稿です^^
テキストは特に。。

今回は(解釈は抜いて)初めてリンレンが出てくる小説なんですよ!
ラヴラヴじゃなくて姉弟なのがちょっと残念なんですけど(。-ω-)

さて、この「フィーリング」という話は、短編(?)の話にしようかと思っていまして。。
なぜかというと、トライアングルが無駄に長くなりそうだからですw
ていうか、トライアングルは現在投稿停止中なのですがorz
まぁそんな感じで、とりあえず、何か書きたくなって、短編を書こうとのことになりましたー^^

これが終わったらいつか、絶対にリンレンのラヴラヴ小説を書いてやります(*・ω・)ノ

そんな感じで、多分これは3,4話で終わるので、少しの間お付き合いしてくださったら嬉しいです><

閲覧数:149

投稿日:2012/10/03 21:32:54

文字数:1,918文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    ほうw
    リンちゃんの言葉に気持ちがこもってますな~www←

    姉弟だって、くっつけようと思えばくっつく!←

    2012/10/09 22:53:20

    • 亜梨亜

      亜梨亜

      読んでくれてありがとうございます><

      まぁ…実を言うとね、、これは半分くらい私の本音が入った話しだからねww

      だよね!
      ていうか姉弟だからこそくっついたら最高だよね!!

      2012/10/10 17:01:11

  • 姉音香凛

    姉音香凛

    ご意見・ご感想

    りあの新作ktkr!そして鏡音さん!うおおおおおry
    ゲフンゲフン...お久しぶりです姉音です!

    鏡音さんいいよね鏡音さん!((落ち着け
    最初の一文が気になるぜ!続きwktk!

    騒ぎすぎたすまぬ..ブクマもらってくよー

    2012/10/03 22:11:28

    • 亜梨亜

      亜梨亜

      メッセありがとー><

      鏡音さん達の話書いてみたかったのさ!
      個人的には姉弟っていうのが、ちょっと残念なんだけどww

      かおりんの期待(?)に答えられるように頑張るよ(≧□≦。ノ

      ブクマありがとー!!!!

      2012/10/05 17:19:46

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