ほろ苦い煙の味
いつの間に憶えたかな
シュワっと音を立てる
あの日々が懐かしいのな
水面が揺れるように
揺蕩う毎日は悪くない
私が私でいられる
この場所が心地良かった
それなのになんでかな
肺を冒しながら
吐き出す煙のように
遠くに消えてしまう
馬鹿な君たちのこと
憎めない私も馬鹿だ
割れた硝子が
戻らない過去を
写したまま
今もまだ煌めいている
手を触れて仕舞えば
傷つくことも
全部分かってて
分かってるのに
手放せないんだよ
君が飲み込んでいた味
溜め込んだ苦悩も酸いも
当たり前に一緒にいた
あの日々を超えてしまった
くだらないことで笑い合ったこと
名前を呼んだら振り返る顔
ねぇどうしてだろう
相反した理想を
お互いに追い求めて
遠くに行ってしまう
哀れな君たちのこと
追えない私も哀れだ
割れた硝子が
戻れない過去を
透かしたまま
今もまだ残っている
欠片ひとつひとつに
心があること
ちゃんと知っている
知っているから
手放せないんだよ
最強だって信じて疑わず
それ故に忘れていた
誰も等しく脆いことを
交(まじ)わらない価値観に
歩む道を違(たが)えて
深くなった傷は
私にはもう治せない
割れた硝子が
いつか見た青い空を反射して
見慣れた景色が飽和する
変わってしまった君たちが
どれだけの孤独を感じていたとしても
隣にいたあの日々と共に
私は変わらずここにいるよ
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