ちょいと先刻ぶたれた傷の礼に
駆け出しゃ花街(かがい)は天気雨
「おやおやずぶ濡れ子猫だね」
粋な姐さんわたしを連れてった

――ららら ららら――

わたし三味線なんかになれやしません
「お前の器量じゃ無理だろうね」
はっきり言われてにゃあと泣いた
「あたしの横に座ってな」

迷路のようなこの街で
その手にしがみついていた

花柳(かりゅう)に灯り ぱっぱっぱ
あっちもこっちも ぱっぱっぱ
紅鳶色の羽織をただ追いかける
お座敷からちんとんしゃん
丁々発止でちんとんしゃん
男女折衷 見頃で御座います
「にゃーっ」

生憎猪鹿蝶なら飛んで行った
帰れる床などありゃしない
炊事 掃除 使い 稽古 日が沈む
相合々々々々傘の下 泪

ねえ烏や一曲お願いよ
袖を噛んじゃうようなやつ
コラッと叱られ屋根の上
雄蕊と雌蕊の喜劇

わたしの腫れもの触れないで
姐さん怒ると怖いから

花柳に灯り ぱっぱっぱ
あっちもこっちも ぱっぱっぱ
紅鳶色の羽織をただ追いかける
お座敷からちんとんしゃん
丁々発止でちんとんしゃん
男女折衷 見頃で御座います

是にて御仕舞(おしまい)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

紅鳶捨猫録 歌詞

閲覧数:1,820

投稿日:2012/04/12 21:02:17

文字数:485文字

カテゴリ:歌詞

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