【小説】サーチライト 6

投稿日:2010/01/15 16:08:16 | 文字数:2,613文字 | 閲覧数:90 | カテゴリ:小説

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ここで前半戦終了、だといいなぁ……。ってか、ヒーローのくせに、レンが序章にしか出てないってどういうこと(苦笑)。

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「つまり、こういうことですか。ミクさんとルカさんは、レン――あ、呼び捨てでいいですよね、を探している、と。そんでもって、彼の居場所はもちろん、現在の実年齢も外見年齢もよく分からなくって、唯一の情報はあたしの顔なわけですね」

 リンの顔が情報、というのはよく分からないが、まぁリンによく似た顔、という意味だろう。
 リンに簡潔に整理された情報は、ミクにとって絶望的なものだった。そうか、整理してしまうと、顔というか、面影しか情報がないのか。

 ここはリンが使っていた家。出発前にリンにすべての情報を入れることになり、滞在を数日間伸ばすことにした。

「で、どうするんですか? いろんな街に行って聞き込み……っていうのは、賞金首のミクさんには危険すぎて、さらにレンが指名手配犯だった場合、相当厄介なことになるんでしょう?」

「その通り。だから、とにかく「魔族」の集落を回ろうかと思ってる」

 答えたのはルカだった。元々、ただ「探しに行く!」と叫んで飛びだそうとしたミクを引きとめ、「集落を回る」という案を出したのはルカだ。

「「魔族」の集落、ですか? ミクさんたちの地元以外の?」

 「魔族」に関してあまり詳しくないリンは、魔女狩りから逃れた「魔族」のその後について、何も知らない。
 ミクはリンに、魔女狩りから逃れた「魔族」があちこちに集落をつくって隠れ住んでいることを説明した。そのうちの一つが、レンがミクを預けた集落である。
 人間から隠れるため、集落の人々は外界とほとんど関わらない。そして、ある集落が人間に見つかってしまったとしても他の集落が生き残れるように、「魔族」同士であろうとも集落の場所を教えることはない。

「つまり、ミクさんたちも、今から行こうとしている集落について、何も知らないわけでしょう?」

 訝しげにしたリンに、ミクもルカも頷くしかない。集落を回ろうと決めはしたものの、集落の場所は知らない。

「それでも、集落を回るのが、レンを見つける唯一の方法だと思うの。だってレンは私を助けた後、迷いもせずに一番近い集落へ直行した。夜の闇にまぎれて、人間たちに見つからないように配慮して。そんなの、集落のことをよく知ってなきゃ出来ないの」

 幼い頃は気にもとめていなかったが、今考えればおかしなことだ。

「でもレンは、あの集落の出身じゃなかった。いくら「魔族」でも、自分がいたことのない集落なんて、知らないはずなのに。レンは、どうしてかは知らないけれど、多分地理にすごく詳しいんだと思う。だとしたら、他の集落にも現れてる可能性が高いわ」

 賞金首になっていたら、どこかで匿ってもらった可能性もある。ミクを助けたように、最近、他の誰かを助けた可能性だってある――。
 そう考えて、ミクはその想像に苛立った。想像上の「誰か」に、嫉妬した。

 そんなミクの内心など知るはずもないリンは、なるほど、と呟き、要するに、と続けた。

「まずは集落を探すところから始めなきゃいけなくて、集落の人たちの協力が得られるかどうかすら疑問だけれど、とりあえず回れるだけ回ってレンを探そう、と」

「さっきから、辛口ね」

 ルカが呆れたように言ったが、自覚がないらしいリンは、首を傾げただけだった。

「まぁ、集落の探し方……といったら語弊があるけれど、どういうところにあるのかは、大体想像がつく」

 ルカは、そうリンに教える。人間である可能性が高いリンに、一体どこまで教えたものか。そう、ミクもルカも悩みはしたが、中途半端な情報を与えて戦力外になってしまうよりは、本格的に協力してもらった方が、結果的に安全だろうと考えた。
 リンが最初からスパイだった場合、というのも考えたが、ミクを捕らえるだけならここまで回りくどいことをする必要はない。すべて演技なのだとしたら、それは確実に、レンに関わることのはず。だとしたら、これ以上ない近道ともいえるのだ。
 もちろん、リンのことを疑いたくはないのだが。

「どういうところ、ですか……?」

「あぁ。子を成せない「魔族」は、新たに生まれた「魔族」を連れてくることで、集落を存続させているから。だから、人間に見つからず、かといって人間の街から離れすぎない場所。大きな街から、特に裁判所や処刑場がある場所から、歩いて数日で着くくらいの距離」

 ミクも、レンに連れられて、数日で集落に着いた。

「新しい「魔族」を連れてくるって、裁判所から脱走させるとか、ですか?」

 今は関係のないことだが、気になったらしい。

「いや、そんなことは出来ない。裁判にかけられてしまったら、もう私たちも助ける術はないんだ。その前に、魔女狩りの逃避行を助けるとか……いや、それもほとんど成功しないな」

 「魔族」の魔力は、多くの場合にあまりにも微かで、人間たちが思うような脅威にはなり得ない。

「「魔族」は、使い物にならないほどの魔力しか持っていないが、数人が数日かけてその力を使いつづければ、占いをすることが出来る。それで、仲間を探しだすことが出来るんだ」

 「魔族」はほとんどの場合、人間とあまりにも差がないために、本人ですら自分が「魔族」だと知らずに育つ。「魔族」が彼らを助けに行こうとしても、誰が「魔族」なのだか、裁判にかけられるまでは分からない。
 ミクのような寿命の差があれば分かりやすいが、その場合は人間もすぐに気付くため、助けられない。

 より多くの仲間を助けるには、人間より先に、「魔族」と人間の小さな差に気付く必要がある。
 そのための手段として、占いがある。それを使って「魔族」を見つけ、連れてくるのだ。
 裁判にかけられる前、魔女狩りに逢う前、まだ無防備なうちであれば、連れてくることも容易い。ただし、本人に自覚がないため、「魔族」の子どもによる抵抗はあるのだが――。

「へぇ……。じゃあ、たとえばあたし、使えるほどの魔力はないし、記憶がないから寿命とか何も分からないし、人間だか「魔族」だかはっきりしないんですけど。あたしが「魔族」の集落の人たちに占ってもらったら、「魔族」だか分かりますか?」

 ミクとルカは顔を見合わせ、首を傾げた。

「さぁ……。私は実際に占いやったことないから、よく分からないな」

 さっきから、どうにも説得力がない。

とりあえずいろんなことに手を出しまくってる鏡音廃です。巡音も買ったようです。

マイリス→http://www.nicovideo.jp/mylist/18736642

オリジナル曲の二次創作・派生作品等は、ボカロやPIAPROの規約の範囲内でご自由にどうぞー。

小説の更新が滞ってますが、プロットはちゃんと出来てますよ><

http://hozue.blog-fps.com/

http://sns.cv02.net/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=2229
http://v-nyappon.net/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=12234

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2010/2/17 追記
HNを秋穂(あきほ)から穂末(ほずえ)に変更しました!

2010/7/18 追記
ニコ公開三曲目となる「水鏡プリテンス」で、P名を頂いてしまいました(ありがとうございますっ)。

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一応、お仕事やコラボのことに関して書いておきますね。以下の文章は、状況によってコロコロ変わります。

現在、曲・絵の新規依頼は受け付けておりません。交流のある方(複数回のメッセージ交換が目安)からの依頼ならば検討しますのでご一報お願いします。
作詞ならば依頼を受け付けられますが、依頼理由はきちんとお書きください。

一つの作品を仕上げるまで根気強く手伝ってくださる(ここ重要)絵師さん、動画師さんは常に募集しています。
また、作品ごとにイラスト募集を(突発的・〆切あり)することがあります。

コラボはお互いに本気じゃないと自然消滅するだけですので、やるなら本気でやりましょう。一報したうえでの延期・降板は受け付けますので。

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