「私、あの子嫌い」
いつだってその一言が元凶だ
変わる空気　集まる視線　賽は投げられた

さぁ、愉快苦痛なショーの開幕だ
昨日までの友達はいない
「キライ」に感染した彼女達は　
一斉に牙を剥く

取り巻きの中心の女王様は　
勝ち誇ったように高らかと笑った

キライキライ感染症
あの子もその子もどの子も
嫌いきらいキライ嫌い嫌い
いやいやいやいやいや

女王様が放つキライ菌は
またたく間に広まって
みんなみんなみんな　感染者

「テスト、あの子に負けた」
いつだって馬鹿らしい理由で
偉ぶったとか男子からの人気が高いからとか
女王様に嫌われぬように
小さな箱庭のルール
ハブられないための暗黙の了解など
「ぶっ壊しちゃおうぜ？」

取り巻きの中心にいる女王様に　僕は僕は　高らかに笑った

キライキライ感染症
どんなに家来を従えたって
所詮所詮仮初さ女王に味方などいない
女王様の感染者は不穏な動きを見せ
さぁ僕らの叛逆の始まりだ

荒唐無稽な惨状だ
どんな御託を並べたって理由なんて
「気に入らないから」その一言に尽きる
生活しやすくなった代わりに
生きにくくなったこのご時世
必要なことは全て空気に書いてあるらしい
みんな自分の感情押し殺して笑ってる
「いつからこんな世界になったんだ？」
考えたって分かりゃしないから
こんな世界壊してやる

壊して…

キライキライ感染症　
僕は感染しないイレギュラー
いつでもみんな味方なんて
あまちゃん思考の女王様
独擅場から降ろされ　無様にも　慟哭した

愉快苦痛なショーの終幕はすぐそこに