「水は潮に流れる」・リバイバル 第三話

投稿者: usericonYUUNOさん

投稿日:2020/02/05 02:51:19 | 文字数:2,436文字 | 閲覧数:42 | カテゴリ:小説 | 全2バージョン

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蛮族に襲われた村がある。(この村は旅人を嫌いお互い旅をさせない文化があった)
村人たちは信仰する宗教の祭りの都合上、得意とする魔法が使えない。
戦うことができなかった村人たちは教会へと逃げ込む。そして人質となる。
その中に普段からあまり村の宗教に乗り気でなかった小さいが旅をしてみたい、気の強い少年が一人いる。名をイーツといった。
イーツはいつも村八分。教会に寝泊まりしていた。魔法がその日唯一使えたのはイーツのみ。
少年は蛮族を怒り、ここぞとばかり蛮族に対して、攻撃魔法を隙をみてぶつけた。
蛮族は頭をやられて散りぢりに。村人たちは村八分やめ、イーツのしたいように、旅をさせてやる事にした。イーツは幼馴染で巫女のエルと旅に出たいといった。エルもイーツならばいいといい、イーツは村の初めての旅人として外の世界に出て、蛮族退治の旅へと出るが、待ち受けるのは蛮族だけではなかった・・・。

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「水は潮に流れる」・リバイバル 第三話
二人は野営を繰り返し、しばらくしてエル曰く“サンゴのある海の近くの南の国”、フィーに到着した。途中、フィーに近づくにつれて、エルは輝きを増した。鼻歌も歌うようになって来た。
そんなエルを見ていてイーツは元気をもらい、また、特別な感情も芽生えてきた、そんな頃、
「着いたーー!!!海だーー!!!やっぱりサンゴあるーーー!!!」
エルは到着してからはしゃぎっ放しだ。一方、イーツは道具屋を見つけては、ショーウインドーで目当ての物があるかないか確かめてから、ドンドン海の方へと歩いていくエルについて行くので精一杯だ。イーツはエルがこんなにはしゃぐとは思っても見なかった・・・いや、でもエルにとってはようやくの旅の休息になるだろう、とまでは思っていた・・・が。
「おーい!海に入る前に“根源の勾玉”と“スケッチブック”はーーー!」
「スケッチブック後でーー!!!勾玉が先ーーー!!!
陽がまだまだあるからーー!!!」と、エルは砂浜からイーツにチョイチョイと手招きをする。イーツはフゥっと一呼吸して上着のボタンを外しながらゆっくりとエルの方へテクテク歩いていった。
さすがに南の国だけあって、暑い。砂浜が熱せられた鉄板のようだ。イーツは、
「海で遊ぶのもいいけど、さっき道具・・・屋で・・・っていうか!それ、水着じゃないか⁉︎」イーツはドキッとして顔が真っ赤になってしまった。
「どうかな? 昨夜テントで着たんだけど。」
「どっ・・・う?・・・に、・・・似合ってる・・・・・よ。」
「なーんてね!これ、巫女の水中移動着よ?」
「・・・はっ?・・・え?水中移動着?・・・ どういう事?」
「例えば水中や、川を渡る時なんかローブラン村にもあるでしょ? そんな時、巫女の服装とかそういうピラピラした服装だと水になびいて重たくてなって溺れちゃうでしょ?
だからそういう時の為にいつも身につけておくの。つまりはこれも巫女の服装!」
「あ・・・ああ・・・そっ・・・いうこと?・・・いやぁ、俺てっきり」
「てっきり?何?」
「いえ・・・なんでもありません・・・。すみませんでした。」
「ちなみに、“根源の勾玉”は海の中。」
「え・・・ええ!!!海の中⁈」
「大丈夫。巫女のナイフ触っていれば水中でも息できるから。では・・・!」
「え?ちょちょ、ちょっと待った!では、じゃない!でかいサメとかいたら戦えないだろ!俺も行くよ!巫女のナイフ触れながら!」エルはあ、そっか、と平然としている。
(ハァ〜・・・エルったら・・・大人か子供か、わからないなぁ・・・)イーツは軽装になりながら心の中でため息をついた。
二人は巫女のナイフを挟み手を合わせ、サンゴの海へと入って行った。
「図によると無色透明な勾玉だったよね?」とイーツがエルを見ると、目をつぶっている。
祈祷で探す気だ。きっとそれほど見つけにくいのであろう。イーツは察した。
二時間くらい歩いた頃エルが急に、
「ここ!」と言って足を止めて目を開けた。イーツとエルは手を合わせたまま、かがむ。よく見る。よく見る。よく見る。二人はそう心で唱えながら注意深く足元のサンゴに目をやる。すると、エルが、
「これだ!あった!!!」
と、見つけたらしい!
イーツもエルに教えて貰い、
「これか!!!わからなかったよ!!!」とイーツも安堵。あとはこびりついたサンゴを削るだけだ、と思っていた矢先に、せっかちにエルが、
「剥がれないかな?これ。」と言ってうんしょ、うんしょ、と引っ張る。
「エル。気持ちはわかるけど、サンゴ、硬いから。」
「はーい。分かりました――。待ってまーす。」
イーツは怒らせたかな・・・と思ったが、持ってきた剣で丁寧に削っていった。
そうして数分後。勾玉がガキンと音をたてた。
「取れたのっ!」とエルがかがんで引っ張った、その時!!!
バゴン!
音を立てて勾玉が取れたが、その反動で今度は巫女のナイフが同じ場所にはまってしまった!
エルは反動で海底の横の谷へともがきながら落ちていく!
イーツはもがきながら剣でナイフを取ろうとする。が、なかなか取れない!
(マズい!息が!!!エルが!!!!!)
と思った時ようやく巫女のナイフが取れた!
イーツは息ができるようになって、エルを助けに行った。エルは近くの海底十メートル位のところに沈んでいた。
「急げ!急げ!!!エル!!!!!」
エルのもとへとたどり着いたイーツは、エルにも巫女のナイフを持たせる。意識が無い。
「エル!しっかりしろ!!!」イーツは必死に呼ぶが、まだ返事が無い。
「エル!」イーツはエルに人工呼吸をして心臓マッサージも繰り返した。
(・・・エルとやら、目を開けるのです。さあ、早く。今ならまだ間に合うぞ・・・)
エルに誰かが話しかけた・・・。
(・・・誰?)
(あなたに助けられた、ガルブの者です・・・。今は俺のことなど・・・さあ・・・早く)
エルが意識を取り戻した!
唇を重ねながらイーツはエルの様子に気がつく。
「エルっ!!!ック!!!」イーツは涙を堪えようとしたが、堪えても堪えても嬉しくて、安堵で、涙が溢れてくる。
「イーツ、ごめんなさい、急いじゃって。」
「エル!本当に大丈夫かい!!!もう焦らないでね。」イーツは涙をこぼしながら優しく微笑む。
「こんな時、あれだけど。」と、
二人はお互いの手に巫女のナイフを挟みながら、
「誰も、見てないから・・・。」
二人は浮かびながらキスをした。唇が離れるとエルは、
「いいえ。一人見てるわ。」
「誰が?」
「イーツが傷の手当てをしてあげた、ガルブの死神男。あの人、亡くなったわ。たった今。」
エルは黒い穴の前で必死に自分だけを持ち上げたあの優しい目をした男性と、なによりイーツにいつまでも感謝した。
                               ―――第三話―――

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

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