オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボ(2人)でお互いのマスターのお話を書けることになりました!
コラボ相手は、カッコいい素敵なお姉さんの生みの親、つんばるさんです!
上記の通り、私とつんばるさんのオリジナルキャラ(マスター)が登場しますので、苦手な方は注意してください。

おk! という方は……。

(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)



*****




突然の思い付きだったに違いない。
その言葉を聞いた時、真っ先に思った事はそれだった。
もう今まで何度も、このメンバーで酒を飲んでいるが、こんな話が出るような事はなかったから。
……何気ない世間話や、自分たちのVOCALOIDについて意見を交わしていた時に、うちのイトコは、突然こんな言葉を口にしたのだ。


「ねえねえ、アキラちゃんもVOCALOIDのマスターになってから結構たつよね?」

「そういえばそうですねー……もう何ヶ月だろ」

「じゃあさ!」


アルコールが入って少々赤らんだ顔に笑みを浮かべて、美憂はぐっと身を乗り出した。


「アキラちゃん、一回ハルちゃんとコラボで曲を作ってみない?」

「……は?」


俺とアキラ、呆けた声を上げたのは同時だった。




―Grasp―
序章  悠編




わけがわからない。
そりゃ、さっきまでVOCALOIDの話はしていたが、何故いきなりこんな事に話が飛ぶ。
いや、コラボで曲を作るという事はまだいいとしよう。


「なんで俺がこいつと?!」

「女の子を指ささないで下さい、ハルちゃん先輩。言いたいことはわかりますけれど……。なんでハルちゃん先輩となんですか? 美憂先輩は?」


いやいやいや。
アキラさん、俺は別に3人でコラボをやりたいというわけではなくてだな。
その……なんだ。
ああもう、上手く言い表せないのがもどかしい……!
俺が1人でこっそり悶絶しているのには気付いていないのか、美憂は笑顔のまま手をひらひらさせる。
おい美憂、それ、おばさん臭いぞ。


「ほら~、アキラちゃんのとこのカイト君の初めてのソロ曲、手伝うとか言ってて結局全部ハルちゃんに手伝いに行かせちゃったじゃない?」


実際には、散々な紹介のされ方に加えていじり倒されただけで、ほとんど何もしてないがな。
そう思ったが、改めて声に出すと惨めになりそうだから黙っておく。


「あの曲、すっごく良かったから、今度は手伝いじゃなくて、2人で協力して作った曲が聴きたいな~、なんちゃって」

「なんちゃって、って……!」

「えー、美憂先輩も一緒の方が楽しそうなのに……。まぁ、先輩がそれでいいなら、いいですけれど。コラボか……いいかもしれないですね」

「ちょ、アキラ、おま……っ」


アキラが楽しそうな笑みを浮かべたのを見て、俺は内心で焦る。
マズい。これは非常にマズい。
アキラ1人を相手の舌戦でも勝てないのに、美憂と手を組まれたら……もうどうしようもない。
なんで俺が、アキラと2人でコラボなんざやらなきゃならんのだ。
調声も難しくなるし、集中できなくなるし……!
……集中できなくなる?
待て、今、俺はどういうつもりで……?
ふと頭に浮かんだ考えに、戦慄した。


「でも、美憂先輩もちょっとは参加して下さいよー。調声とか実際の曲作りは私たちでやりますけど、やっぱり先輩がいた方が楽しそうですし!」

「そう? ん~……どうしようかな~」


美憂とアキラが俺をほっぽって話を盛り上げているが、俺はそれどころじゃなかった。
いや別にアキラと2人きりだと嫌じゃないしむしろちょっとは嬉しいとかそこまでは思ってないけどそれなりには楽しみではあってでもそれ以上に緊張するとかあがりそうで嫌だとかって何を考えているんだ俺はああぁっ?!!


「……ハルちゃん?」

「ハルちゃん先輩、どうしたんですか?」

「は? あ、いや、これは、その……」


とうとう、俺が挙動不審だった事に気付かれてしまったらしい。
怪訝そうな2人に、どう言い訳するべきか考えを巡らせたが、そう簡単に都合の良い答えが出るわけもなく。
俺が言い澱んで、何かを言うより先に、アキラが口を開いた。


「ところで、ハルちゃん先輩はやりますよね? コラボ」

「やりますよねって……。やる事は決定なのか」

「やらないんですか?」


そう言った彼女は、どこか寂しそうな顔をしていて……くそ、卑怯な。


「……わかった、やる。どっちにしろ、俺が何か言ってもアキラはやるんだろ?」

「それでも、ハルちゃん先輩が嫌だって言ったら、できませんから。……よかった」


最後の『よかった』の一言に、心臓が跳ね上がった。
いや、おかしいだろ。なんでこんな事で……!
また思考をぐるぐるさせはじめた俺をおいて、アキラはまた笑顔に戻る。
コラボの内容を考えているのだろうか、すごく楽しそうだ。


「ハルちゃん、何にやけてんの?」

「にやけてなんか……」


美憂に言い返しかけて、自分の表情が知らないうちに緩んでいた事に気付いた。
楽しそうなアキラを見て……俺も楽しいと、思っていた事にも。
あれだけ、嫌だ嫌だと考えていたのに。
嗚呼、本当に、どうしちまったんだ、俺。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【オリジナルマスター】―Grasp― 序章【悠編】

実は前からこっそりそういう事を考えていたんですが、なんとコラボで書ける事になってしまった。
コラボ相手の方とそのオリキャラさんが素敵すぎて、いまでもちょっと緊張しております……!


と、いうわけで、わっふー!
どうも、桜宮です。

Crushを書いていたあたりからうずうずしていて、我慢できなくなった私がつんばるさんに「2人で書きませんか?!」とお願いしてみたところ、「そういうことならやりましょう!」と言って下さって……!
まさか実現するとは思っておらず、嬉しいやら緊張するやらで……!
題名も私の方式に合わせてもらってしまって、もうどうしよう、幸せすぎる。

最初の説明文のゆっくり2人は、ネタ等の打ち合わせ中にできてしまったものです(つんばるさん作)w
個人とかそういうの抜きで、コラボは初めての体験なのですが、こうしたやりとりが楽しくて仕方ないです!
もう、本当に……夢だったらどうしよう←


と、いうわけで、私は自分ちのオリジナルのマスター、白瀬悠さんの視点でお話を進めていきます!
悠もつんばるさんちの東雲晶さんくらいしっかりしてればいいのにね!
晶さんの視点のお話は、つんばるさんが担当しております。
つんばるさんのページはこちら→http://piapro.jp/thmbal


では、うちのヘタレ純情君と、つんばるさんちのしっかりさんなお姉さんに、
どうぞお付き合いくださいませ!

閲覧数:517

投稿日:2009/08/31 21:04:39

文字数:2,188文字

カテゴリ:小説

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  • 桜宮 小春

    桜宮 小春

    ご意見・ご感想

    にゃん子さん>
    はじめまして! わっふー!!
    いろんな人に広まってるなぁ、わっふーw
    ウハウハだなんて……っ! ありがとうございます!

    ええ、ついフラグを立ててしまったんですw
    悠さん、誰かがもらってくれないと多分ずっと独り身だと思ったので、我慢できずに代わりにプロポーズしてきました(自重しろ

    彼は案外純情な人ですから……というのは半分くらいで、これくらいうろたえてくれた方が私としても面白(ry
    美憂さんは絶対何か企んでますねw

    あとがきですかw
    やりとりの内容を書いていくことになると思いますが……wktkしていただいていいんだろうかw

    コメントありがとうございました!
    次回からもがんばります!

    2009/09/03 12:41:35

  • 望月薫

    望月薫

    ご意見・ご感想

    わっふー!はじめまして桜宮さん。いつも素敵なお話にウハウハさせて頂いております(*ノ∀ノ)

    前回のシリーズで「フラグきたああああ!!」とひとり盛り上がってたらなんとコラボで読めるなんて!読者感激です!
    悠さんの心の動きがすごくリアルで吹きましたwいい意味でw美憂さんナイスはからいww
    これからのふたりが楽しみです。もちろん桜宮さん&つんばるさんの作者側のおふたりのあとがき(説明文)にもwktkしてます(笑)

    それでは次回をムハムハしながら待ってます(*´∀`*)

    2009/08/31 22:51:12

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