涙 かそけき月の灯に揺れて落ちる
永久に続くような静寂だけ澱んでいた
いづれ染むなら 常夜の蒼黒よりも
碧く清らな その瞳の色なら良いのに

思い定めて違えた契り
袖を引く細い指を そっと解いた

志を恃みに 
影だけを道標に
腕に抱く十字は 
血濡れた刃と知れども



雫 湛える淵は濁りなく澄んで
過ぎし季節を殊更に呼び覚ます
僅か残る熱を奪いゆく氷雨に
心まで凍て付かせてしまえば良いのに

自ら殺いだ幻なれど
せめて願うは君よ あの頃のまま

天地を振るわせて
祈り捧ぐは誰が為
悔いはせず 罪人の
絆しの重きを知れども


今日も光に背き
紅き十字従えて
降りられぬ修羅の道
救いなど無いと知れども
無いと知れども


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貴女の涙が揺れ落ちるのが 微かな月の光で見えた
泣かせたのは私なのだから 慰めの言葉すら言えず
見つめ合ったまま 重苦しい沈黙だけが 
永久に続くかのように思われた

私が向かうのは 明けない夜の如き世界
どうせ染まるのならば その青黒い闇の色ではなく
青く見えるほど澄み切った 貴女の瞳の色ならいいのに

心を決めて破った約束 もう共には生きられない
私の袖をつかんだままの細い指を そっと解いた

己の信念を拠り所にして 太陽に背を向けて進む
腕に抱いているものは 平和を望む十字架などではなく
戦いの血を浴びた刀だと知っているけれど


ぽつぽつと降る雫
受け止める湖は 透明に澄んでいて
貴女の瞳に似ているから
忘れようとする過去を まざまざと思い出してしまう

ぼうっとして 氷雨にずっと打たれていたから 
体中が冷え切ってしまった
このまま心まで凍て付いて 何も感じなくなればいいのに

ささやかに幸せな日々を
自分から壊してしまったけれど
せめて貴女だけは今も あの頃のまま笑っていて欲しい


天地に響き渡るほど大きな声で 祈りを捧げる
誰の為かもわからないまま
後悔はしていない
罪を犯した者の心を 縛り付ける枷が
どれほど重いのかを知ったけれど

今日も太陽に背を向けて
血に染まった刀だけを供に
途中で抜けることなどできない
戦いの螺旋を昇ってゆく
そこには救いなどないと知ったけれど

叶うのならば
今ひとたび 逢いたい……

もう一度、逢いたい……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

紅十字-くれなゐじゅうじ-

ニコニコでPV公開中の、紅十字-くれなゐじゅうじ-の歌詞です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8187836

illustlation / -まこと- http://piapro.jp/maternalism
photograph / http://www.ashinari.com/
misic&lyrics,arrangement,PV / EM

閲覧数:1,073

投稿日:2009/09/11 08:17:24

文字数:1,006文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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