3月も終わりに近づいたある日の昼下がり
田舎の町外れにある小さな丘にいました
毎年この時期に訪れるお気に入りの場所です

雲ひとつ無い好天で日差しが眩しかったのですが
その柔らかな陽気にずっと包まれていたくて
何も無い草原の上でただ寝転がっていたのです

携帯の電源は切ってあります
日々の悩みごとなどはすっかり忘れて
瞳を閉じ自然の息吹に耳を澄ませていました

いつの間にか私は眠ってしまっていたのですが
すぐそばに気配を感じて目を覚ましました

ねえ起きて

どことなく懐かしいような不思議な声でした
目を開けて左の方を向いてみると
そこには小さな女の子が座っていました

私は直感でその子が天使だと思いましたし
実際にそうだったのでしょう
昔の私に似ていても特に驚きはしませんでした

私たちは手を取り合って踊り続けました
言葉はほとんど交わしませんでしたが
幸せな気持ちが満ち溢れてゆくのを感じました

私は思わず何かを言ってしまったようです
彼女は少しうつむき加減のまま照れ笑いをして
そんなことないよと走り出しました

私たちはそうやって
夢のような時を心ゆくまで楽しみました

今年もまた行ってみようと思います
おもいでの詰まったあの丘へ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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natural white (2007/1/19作)

過去に書いた詩の中から、一部を掲載したいと思います。
2007/1/19制作。改変可。

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投稿日:2009/03/14 12:04:53

文字数:526文字

カテゴリ:その他

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