映画館の住民達を集めて、裁判ごっこを始めましょう。
『墓場の主』と『サーバンツ』はいないけど……まぁいいや。


──さぁ、始めよう。裁判という茶番を!










【茶番カプリシオ】茶番とは一体何ですか?【原曲者に謝れ】










……さて、さっそく聞いていきましょうっと。


「神の命により探し求める。器も残るはあと一つ、【憤怒】の器だけ。
 その在りかをもしも知るのならば照明なさい。『時の魔導師』よ」


さてさて『時の魔導師』のご様子は……?
私は威厳を装いながらもMaの様子を窺うと、Maはにんまりと嗤ってこう言った。


「時を超え、姿を変え、主を変え。それは既に舞台に登場している。そう、とっくにね。
 でも、今の在処は我も知らない。それもそのはず、器がどこかに消えてしまったのだから。
 しかし──いや、おそらくはあの娘の手の中にいるだろう」


ずいぶんと長い台詞、ごくろうさまでした。
でも心なしか、Maの目が少し暗くなった気がする。……あら?

私も含む全員が、突如開かれたドアに振り向いた。
そこにいたのは、にんまり笑顔の『サーバンツ』と、『墓場の主』と……『アダムの魂』!?
なんでここに!?


「『墓場の主』に……首をへし折られて連行されたんだ……」


あぁ、これはどちらに突っ込めばいいのだろう。
残念ながら、私はツッコミの達人ではないのだ。


「貴方って人は、本当にヘタレね。
 そんなんだから、キャラクター人気投票でヘタレって呼ばれるのよ!」
「なっ……! それはカイルのことじゃないか!」
「ふん、ガレリアン=マーロン──お父様だって十位だったのよ。
 それに比べて貴方は一票も来なかったのよ? 『原罪者』は来たというのに……」
「う、うるさい! き、君だって13位だったじゃないか。歌姫も落ちたものだな」
「そ、それはミカエラのことでしょ!! このイケメン残念王がっ!!」
「それはカイルのことだァ──ッ!! その誰一人フォローしてもらえなかったあだ名を言うな!!」
「イケメン残念王残念王残念王残念王残念王残念王残念王残念王!!」


い、息が切れた……。
人形でも息が切れるのね。初めて知ったわ。


「ねえねえグレーテル。なんか脱線しすぎて、僕らの台詞がいえないよね」
「そうね。落ちた歌姫とイケメン残念王のせいでね」
「私はミカエラじゃない!」「僕はカイルじゃない!」
「ふふふ、仲がいいこと」
「「どこが!?」」


あぁ、茶番だ……茶番だ、茶番……。
立ち眩みがしそうになったとき。


「ねえねえ『人形館長』、僕もう待ちきれないよ。早くこっちに台詞を繋いで」
「…………」
「馬鹿ねヘンゼルは。こんな落ちた歌姫が私たちに台詞を繋いでくれるわけがないでしょう?」
「…………」
「へえ、そうなんだ」
「…………」
「そういうもんなのよ」
「……あぁもう分かったわよ!! 『サーバンツ』、貴方たちは器の在りかを知ってる?!」


そう言うと双子は、気持ち悪いぐらいにたぁと笑った。


「ううん、知らないよ」
「はぁ!?」


あまりにマジメな顔で言われたので、マヌケな声が出てしまった。
その際『アダムの魂』が「ざまみろw」と笑いやがったので、槌を頭に投げつけ黙らせた。

作業を終えて再び『ヘンゼル』に向き直ると、『ヘンゼル』は話を続けた。


「だから探すんでしょ? その……アイツを「『冥界の主』よ」ありがとうグレーテル。
 うん、その『冥界の主』を探せばいいだけじゃん。
 どうせ『冥界の主』は右か、左か、あるいは下にいるん「馬鹿か、そっちは上」……だからさ」
「……『グレーテル』貴方の意見は?」
「私? 私は……まぁ、ヘンゼルと同じ意見かな。
 全てのカギと、器である『かg「やめて、悪ノPの立場ってもんがなくなるわ!!」……チッ」


いやいや舌打ちすることろじゃないでしょう?
ネタバレ、ダメ、絶対だよ!?


「……はぁ」


『グレーテル』のネタバレ暴走行為に必死に止めていたら、またもや残念王が復活した。
チッ、ウザーなこいつ!


「いつまでこの茶番を続けるのか。その先には何もないというのに……」
「黙r「黙りなさい、『アダムの魂』よ」


おいこら『墓場の主』。私の台詞を遮るな!


「『墓場の主』……」
「全く、このような奴の為に罠に落ちた者のくせに、再び映画館に介入するなんてとんだ強欲ね」
「「…………」」


──お前が無理矢理介入させたんだろーがッ!! ……とは言えず。
だって下手したらこいつらの胃袋の中に入れられちゃうんだもの。それだけは嫌よ。絶対。


「もうお前の成せる事など、もうないというのに。オーホッホッホ──」
「こらー! 私の有名な台詞をとるんじゃない!」
「うるさいわね『待つ者』。
 第一お前はリリアンヌの姿を模しているだけで、本人ではないだろう」
「それを言うならお前がリリアンヌの口癖を言う権利など微塵もないわ」
「なにをー!?」
「なんですってー!?」
「やめるんだ二人とm「「うるさい雑用係!!」」……」


なんと哀れだろうか。いや哀れだこと。
王女のような少女と超高飛車な女性二人に「雑用係」と言われ、落ち込まない者はいないだろう。
ま、仕方ないよ。
それが君の悲しい末路だ。諦めろ☆


「ねぇ、なんか酷くない!? 特に『人形館長』!!」
「へ? だって私人形だもの。心を持たぬ私にはわからないから、素直に言っただけよ」
「お前ぜってー裏あるだろ!!」
「うるさい。今開かれる冥界の門で、今度こそ地獄に落としてやる──ッ!」
「ぎゃあああああ」


突如冥界の門が本当に開き、そこから……『冥界の主』が現れた。何故!?


「……ハロー」
「え……ハロー」
「……とりあえず、出番をとるために、やってきた」
「え……あ、そっか。もうすぐでこれ終わるもんね」
「「「「「「「え」」」」」」」
「なんか、『Crazy ∞ night』の『犯人はあなたでしょう?』で、喋ってないのは誰でしょう?、みたいだな」



「はい! 喋ってないの僕です!!」



「えー? 全員喋ったでしょ。ねえ雑用係」
「……ああ、そうだな。『歯車』?」
「お前短いこっちを選んで呼んだだろ。あ、あと僕喋ったから……『墓場の主』は?」
「私が喋らないわけないでしょう?! で、どうなの。『グレーテル』」
「私は喋ったわ。ヘンゼルは?」
「僕は喋ったよ。『時の魔導師』は?」
「我は喋ったわ。──それじゃあ……喋ってないのは、誰?」



「いや、だから僕だって! おーい! 僕ですよー『イレギュラー』ですよー!!」



「うーん……誰だろう。ま、いっか」



「ガーンΣ(゜Д゜;)」

「ふっ、罪深き少年よ。貴方、哀れね」

「ひ、酷い……」



「あら、『人形館長』? どうしたのかしら、ブツブツと呟いて」
「いいえ、なんでもないわ」



「…………」



「それでは、さよなら、またいつか(・ω・)ノシ」
「他の人の曲の台詞を言うな。そして絵文字をつけるな、『冥界の主』」
「うるさい、『アダムの魂』。お前も、アイツみたいに、地獄に、落としてやろうか?」
「いえ、なんでもございません。それではさよならまたいつか」


──こうして、裁判という茶番はお開きとなったのだった。





「ねぇ、僕は!?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【茶番カプリシオ】茶番とは一体何ですか?【原曲者に謝れ】

タイトルは赤き鎧の女剣士の有名な台詞かr(ry
うん、自分でも茶番がなにかわからなくなりました。はい(・ω・)←

ホント『霧ノ娘』泣きました!
いやいや、まさか【憤怒】の器がね……おっと、これ以上はネタバレです……!!
皆さんも買いましたよね? ね?

閲覧数:2,003

投稿日:2012/08/25 20:43:07

文字数:3,074文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • 雪葉

    雪葉

    ご意見・ご感想

    ああ、あれね、間奏曲の絵物語にも出てくる「××とは一体何なのですか?」ですね!
    買おうとしたら残り260円足りなかった・・・・orz
    ちょ、グレーテルネタバレはやめなさごめんなさい謝りますから墓場の主の元へ連れていかないでください
    それでは、失礼しました

    2012/08/26 09:19:30

    • 雪りんご*イン率低下

      雪りんご*イン率低下

      そうです。ジェルメイヌさんが黄と間奏曲&カイルが青で言ってるあの台詞です!
      うわぁ、それは……なんという……

      グレーテルの魂h「グレーテル)偉大な主のお昼にしましょう」
      え、ちょっと待ってグレちゃん……きゃあああああa

      いえいえ、こちらこそ失礼しました。いろいろと。

      2012/08/26 13:15:18

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