「レンッ!レンッ!ねぇ、レンってばっ!」
私はレンの頬を叩き続ける。
しばらくすると「う~ん」という、レンの呻き声。
あ、気絶しただけなんだ、と気づき、私は叩くのをやめる。……レンの頬が赤く腫れてるのは気にしないでおこう。
とりあえずレンをベッドに運ぼうと、レンを抱き起こした。
その時、レンの部屋のドアが『ドンガラガッシャーン!』という音とともに開けられた。
何事かと、私はドアのほうを振り返る。
そこには─────ガラスの破片まみれの短めな緑髪の子と、後からやってきた私と同じ金髪のロングヘアーの子がいた。
【リンちゃんなう!】続・リンちゃんは誰にも渡さない!←【リンちゃんサイド!】
私は驚きのあまり、レンを離してしまう。
その際レンの後頭部から「がっ」という鈍い音が聞こえてきたのを気にしない素振りで、彼女達の名前を叫ぶ。
「グミ姉!リリ姉!」
「リンちゃ~~~んっ!会いたかったよ~~~っ!!!」
グミ姉はそう叫ぶよりも早く私に抱きつく。
そんなグミ姉を、リリ姉は呆れたように溜息をつく。
「アンタは毎度毎度……よく飽きないわねぇ」
「そんなこと言って~。ホントはリリィだってぎゅ~~~って抱きしめたいくせにぃ」
「なっ、違っ……!///」
そういうリリ姉の顔は真っ赤だ。さっすがツンデレ。
「そんなことより……」
私はずっと気になってたことを訊く。
「なんでグミ姉……さっきガラスの破片まみれだったの?」
「あぁ、それね。えっとね~……」
「グミが、リンちゃんの窓から割って侵入してきたからだよ」
「うん。そーゆーことー」
「……」
……つまり、不法侵入と?
え、っていうか私、自分の部屋にいたら危なかったんだよね?こういうのを『不幸中の幸い』っていうのかな?
でも今夜の寝る場所がないな……あ、そうだ!レンの部屋で寝させてもらおうっと♪
それでこんなことやあんなことを……うふふh─────じゃなくて!!!!!
「なんで窓から入ったの??!」
「「なんとなく」」
───なんとなくかい! 私は心の中でツッコんだ。
「そういえば……これは?」
グミ姉……人を指差して「これ」呼ばわりは酷いんじゃないかな……?
「レン……だけど」
「ふーん……なんで気絶してんの?」
「なんか……ネギとマグロがレンの頭に激突したから、そのまま気絶してるの」
「ふーん……」
グミ姉は曖昧な返事をし、レンを抱き上げると……そのまま開きっぱの窓に向かって投げよう─────ってちょっと待てぇぇぇぇぇ!!!!!
「グミ姉何やってんの!?レンを投げようとしちゃダメだよ!!?」
「えぇ~。だって、リンちゃんがいる空間内に、男子を入れたくないんだもん」
いやいやいや。だからって投げていいってもんじゃないよね?
「アタシは投げていいと思うけど。男子だし」
「リリ姉まで!!」
二人して酷いよ~!
「と、いうことでレン君は投げさせてもらいますぅ」
「きゃあああああダメぇえええええ」
私は必死にレンを投げさせるのをやめる。
そんな時、再びドアが開けられる。そこにいたのは─────ミク姉とルカ姉だった。
「リンちゃん~!仕事速く終わらせてきたよ!」
「ちょっと脅しただけで仕事を早くさせるなんて……男ってホント馬鹿よね」
ルカ姉、あなた一体何したんですか。聞きたいような、聞きたくないような……。
「あら?」と、ルカ姉が上げられたままになっているレンを指差して訊いてくる。
「その廃棄物は、一体?」
……ルカ姉、ホント男には容赦ないよね……。でも、廃棄物は……言いすぎなような───。
グミ姉が答える。
「レン君だよ。ちょうど今投げるとこだったの。どうせなら手伝ってくれない?」
「いいわよ」「いいよ~」
ルカ姉、即答。
ミク姉、笑顔で答えてる。
そして四人でレンを持ち上げた─────そのとき。
「アンタ達!」
ドアの入口には、メイ姉がいた。
そうだ!メイ姉ならきっとレンを助けてくれる!─────そう思っていたら、
「アタシにも参加させなさい」
メイ姉ええええええええええええええええええええええ!!!!!
メイ姉も含んだ五人でレンを持ち上げ、そして「ふっとべええええええ」と叫びながら飛ばした。
哀れ、レンは星になったのだった。
呆然とした私に対して、五人は何事もなかったかのように、
「リンちゃん!あ~そぼっ!!!」
ノーガードの私に、五人いっせいに抱きついてきたのだった。
-Fin-
【リンちゃんなう!】続・リンちゃんは誰にも渡さない!←【自己解釈】
前回(http://piapro.jp/t/vaYo)で書いていたのですが、容量を超えたため、続きとして書きました。
自分で書いといてなんですが……レンってホント不憫だねwww
[偉大なる本家]
http://www.nicovideo.jp/watch/16539814
コメント1
関連動画0
ブクマつながり
もっと見る俺はいつものように、自分の部屋でだらーっとしていた。
そんなときだった。
ガチャッと、ドアの開く音に俺は向くと、そこにはミク姉とルカ姉。
「どうしたの?」
俺は二人に訊く。
「ねぇねぇレン君」とミク姉。
「あのねぇレン君」とルカ姉。
「「リンちゃんのアルバム写真とか……くれないかな?」」
あぁ、なん...【リンちゃんなう!】リンちゃんは誰にも渡さない!←【自己解釈】
雪りんご*イン率低下
「ほんとにこんな山奥にいるのか? キド」
『そんなめんどくさいことでいちいち通信するな。“ヤツラ”にバレてしまうだろう』
「そんなこと言っても、バレないさ。きっと、ところで本当にこんな山奥に家なんてあるんだろうな?」
『なかったときは私が責任をとろう』
「……体で?」
『〇すぞてめえ』
「すいま...カゲロウプロジェクト 04話【自己解釈】
aurora
「ありえない」
人なら、誰でもそう思うことがあるだろう。
たとえば、たまたま住んだアパートの住人が変わった人ばかりだった時。
たとえば、家の裏でなぜかマンボウが死んでいた時。
たとえば、この星を作った神様が、地球を売った時。
たとえば、現代生け花のような髪型をした警官が声をかけてきた時。
たとえば、...【リクエスト】おでこに生えたビワの性格が悪い【自己解釈】
ゆるりー
「……何だこりゃ」
俺は思わず呟いていた。目の前にあるのは、巨大な茨の藪。そして、道はその茨の中に消えている。
「この先に行けってか?」
目の前の茨には、鋭い棘がびっしり生えている。こんなのに触ったら手がズタズタになりそうだ……そう思いながらも、俺は手で茨に触れてみた。……あれ。
茨はあっさり...アナザー:ロミオとシンデレラ 第十一話【目覚める必要】
目白皐月
「さぁ、残さず食べなさい」
親から言われたこと。
『どんなものも残してはいけない。』
だから私はどんなものも食べた。
あら、もう“最後の晩餐会”の時間だわ。
今日はどんな“美味しい”お料理を喰えるかしら────一…
【悪食娘コンチータ】偉大なるバニカ様と超☆肉☆食☆系コック【原曲者に謝れ】
「それで...【悪食娘コンチータ】偉大なるバニカ様と超☆肉☆食☆系コック【原曲者に謝れ】
雪りんご*イン率低下
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想
雪りんご*イン率低下
その他
ぴきゃあああああ!!!
4個目の注目入りキタ━━(*´艸`*)━━!!
リンちゃん最強ですn(黙
2012/10/31 18:02:51