春に世界を知った
翅(はね)を広げて
風と寄り添いながら
花と踊った

光の中で 僕は
幸せだった
幸せだったよ

色彩の海を泳ぐように
花園を風を追いかければ
太陽が僕に微笑むから
永遠を願った

夏の終わりを知った
翅(はね)は削れて
風の冷たい夜に
脆く崩れた

信じてくれる? 僕は
幸せだった
幸せだったよ?

枯れていく花をまとうように
覚めていく熱を空に放つ
満月が僕の目を閉じたら
土塊(つちくれ)に還ろう

翅に通う命は
蒼い季節に咲いた
花に捧ぐ幻
刹那飾る夢色

堕ちていく翅を包むように
儚げな白が眠り誘う
雪割りの花が目覚める頃
再会を祈って

花園に帰ろう

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

春想蝶

寝付けないテンションで書いてみた、詞書きリハビリ作品パート2。

蝶の翅は硬い殻に保護されていないし修復できる構造でもないので、蛹から羽化したばかりの春先の蝶はひらひらと優雅に飛んでいるのに、夏の終わりの蝶は擦り切れた翅で飛ぶからヨタヨタとしているんだ。
その話を聞いて以来、今時期のへろへろした飛び方の蝶を見ると何かよくわからない哀愁を抱くようになったのじゃった。

閲覧数:191

投稿日:2010/10/13 01:33:36

文字数:292文字

カテゴリ:歌詞

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