ゼロさんと鈴々さんが無事に戻って来た。正確に言うと降って来た。
「何でいっつも俺が潰されんだよ…。」
「痛たたたたた…。」
「王…ゼロさん!」
疲れているであろう聖螺ちゃんや、レイさんは二人に駆け寄って無事を喜んでいる。私は何処か遠い意識でそれをぼんやりと見ていた。どうしてだろう?脚が動かない。笑顔になれない。何やってるの?私、しっかりしなきゃ、しっかりしなきゃ!ほら、二人が帰って来たの喜ばなきゃ!動かなきゃ!笑わなきゃ…!
「…っ!」
「芽結ちゃん?」
「芽結?!」
最低だ、私…帰って来たのがクロアさんじゃなくて流船なら良いのにって思ってる…!
「芽結っ!」
倒れ込みそうになった体ごと後ろから強く抱き締められた。
「幾…?!」
「落ちるぞ馬鹿!急に飛び出したら心配するだろ?!」
「だ…だって…。」
「あ?」
「流船じゃない!帰って来たのが流船じゃないって思っちゃうんです!それが嫌で…皆と一緒に
笑えないのが凄く嫌だったんです!」
「…どんだけ流船が恋しいんだよお前は…。」
「…いっぱい…。」
「ハァ…判った…。」
幾徒さんは何も言わず私が泣き止む迄抱き締めてくれた。どの位そうしていただろうか、ポツリと幾徒さんが口を開いた。
「言魂の銃のメモリを見たんだ。多分今まで何度も繰り返されて来た『脚本』の世界をね。」
「え…?」
「一定の時間をずっと繰り返す事に何の意味があるのか、何が目的なのか、繰り返している時間の
先に何があるのか知りたかった。」
「判ったんですか…?」
「…言魂は近い将来兵器利用される。人を傷付け、支配して、時には文字化けを生み出して、
戦争より酷い世界が出来上がる…。」
「戦争…?!」
思わずギョッとして目を開けた。自分とは遠い世界の出来事みたいに考えていたけど、確かに言魂の性能を考えれば兵器になるには充分過ぎる。
「『脚本』はおそらくあの世界を回避する為に打たれた物だ。俺達ではない誰かの手でな。
けど『脚本』が無くなった今のままでは地獄が待ってる。」
「そんな…!」
「それも何とかするしか無い…ったく仕事の多い事で。」
そう言って少し笑った幾徒さんは、私をもう一度ぎゅっと強く抱き締めた。
「会わせてやるから。必ず…必ず流船に会わせてやるから…。」
「幾徒さん…。」
「……………………。」
「幾徒さん?」
「65のD?」
「馬鹿―――ッ!」
「痛ってぇ!」
この人なりの優しさなんだろうけど…最低!
コメント2
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ご意見・ご感想
0-ko
ご意見・ご感想
なるほど…
受験生への心づかいにきずかないKYですいません⊂(_ _⊂
2010/12/17 11:17:47
安酉鵺
でも幾徒がめちゃめちゃ言ってて台なしwww
2010/12/17 11:26:18
0-ko
ご意見・ご感想
最初の
振ってきた、って降ってきた?
2010/12/17 09:11:24
安酉鵺
あれ?どっちだ?(∀`;)受験生用に字を避けたんだが。
2010/12/17 10:01:34