【A】
疼く鼓動 掻き乱され 目を凝らす “一寸先”へ
喘ぎ藻掻き 足を取られ 「次は何処へ？」
アマいユメの 微温湯さえ 目覚めれば毒に変わって
この《現実》[あくむ]に ただ魘され 踏み出すだけ

【B】
エゴと理性の境界線 冷たく笑う三日月
目を逸らした過去まで見透かすように

【C】
「おいで 手の鳴る方へ」 呼ぶ声 胸の奥で
受け入れてしまえば ねえ いっそ楽になれる？

【D】
誰のために？ 何のために？ いまは意味さえわからぬまま
ただ全てを 何もかもを 切り裂くだけ
急かすように 焦らすように 突き動かすように また月が
夜の果てへ 罪の果てへと 導いていく

【A'】
消せない熱 血潮の渦 焼けつく衝動に苛立って
生まれついた 枷の中で 足掻き続け

【B】
燻った思いだけ いつまでも 行き場なくして
眠れない夜だけ 繰り返してく

【D】
ねえ いつまで ああ 何処まで 呟きは ただ 風に溶けて
止まぬ声と 醒めぬ熱に また侵される
この手の中 この目の中 残るのは ただ 紅い鎖
全て壊し尽くしてもまだ逃れられない

【E】
鏡の中で 三日月が笑う
「楽園はほら、すぐ傍に……」

【D】
誰のために？ 何のために？ いまは意味さえわからぬまま
ただ全てを 何もかもを 切り裂くだけ
急かすように 焦らすように 突き動かすように また月が
夜の果てへ 罪の果てへと 導いていく


＊＊＊
読み

【A】
うずく こどう かきみだされ めをこらす いっすんさきへ
あえぎ もがき あしを とられ つぎは どこへ
あまい ゆめの ぬるまゆさえ めざめれば どくに かわって
この あくむに ただ うなされ ふみだすだけ

【B】
えごと りせいの きょうかいせん つめたく わらう みかづき
めを そらした かこまで みすかすように

【C】
おいで ての なる ほうへ よぶ こえ むねの おくへ
うけいれてしまえば ねえ いっそ らくに なれる

【D】
だれの ために なんの ために いまは いみさえ わからぬまま
ただ すべてを なにもかもを きりさくだけ
せかすように じらすように つきうごかすように また つきが
よるの はてへ つみの はてへと みちびいていく

【A'】
けせない ねつ ちしおの うず やけつく しょうどうに いらだって
うまれついた かせの なかで あがきつづけ

【B】
くすぶった おもいだけ いつまでも いきば なくして
ねむれない よるだけ くりかえしてく

【D】
ねえ いつまで ああ どこまで つぶやきは ただ かぜに とけて
やまぬ こえと さめぬ ねつに また おかされる
この ての なか この めの なか のこるのは ただ あかい くさり
すべて こわしつくしても まだ のがれられない

【E】
かがみの なかで みかづきが わらう
らくえんは ほら すぐ そばに

【D】
だれの ために なんの ために いまは いみさえ わからぬまま
ただ すべてを なにもかもを きりさくだけ
せかすように じらすように つきうごかすように また つきが
よるの はてへ つみの はてへと みちびいていく