蠕く蟲の翅の翳[うごめくむしのはねのかげ]
(1)
A
どろりどろりと 羊水に
浸かる胎児が 見る夢は
どくらまぐらと 恐ろしく
蠕く蟲の 翅の翳
B
翅を 持たない蟲だから
いつも 空飛ぶ夢を見る
けれど 叶わぬ夢ならば
ただの 胎児の如くなり
C
暗闇で 蠕き 夢見る
その ただの 蟲けら
S1
存在しない その翅を
はためかせて 鱗粉撒き散らせ
S1
猫に喰われる その日まで
ありもしない 幻想撒き散らせ
S2
それでも君が 見る夢は
天を衝いて 空へと届く
偉大なる 美しき 妄想
蟲、翅 空翔ける 翳の
(2)
B
木霊 こだまする森の中
神聖なる闇を穢(けが)すほど
ただの 穢(きたな)い蟲だけれど
僕は 美しい夢を見る
C
闇ですら 穢して 蠕く
その 私 夢では
S1
存在しない その翅を
はためかせた 背後に出来上がる
S1
存在しない その翳が
その翳だけ 私を癒すから
S2
それでも僕が 見る夢は
天を衝いて 空へと届く
偉大なる 美しき 妄想
蟲、翅 空駆ける 翳の
A
どろりどろりと 暗闇に
蠕く蟲が 見る夢は
きらりきらりと 美しい
蠕く蟲の 翅の翳
蠕く蟲の翅の翳[うごめくむしのはねのかげ]
閉塞マンです。
今回は読みにくいタイトルをつけようと。
漢字、平仮名、漢字、平仮名、という繰り返しがなかなか記号じみてていい感じです。個人的に。
中身もわかりにくいけど、汚らわしい美しさというか、醜いからこその美しさみたいな、わりと深いテーマな気がします。わかりにくいけど。自分の中で一番のお気に入りかも?
曲募集。
以下、ひらがな。
「うごめくむしのはねのかげ」
(1)
A
どろりどろりと ようすいに
つかるたいじが みるゆめは
どくらまぐらと おそろしく
うごめくむしの はねのかげ
B
はねを もたないむしだから
いつも そらとぶゆめをみる
けれど かなわぬゆめならば
ただの たいじのごとくなり
C
くらやみで うごめき ゆめみる
その ただの むしけら
S1
そんざいしない そのはねを
はためかせて りんぷんまきちらせ
S1
ねこにくわれる そのひまで
ありもしない げんそうまきちらせ
S2
それでもきみが みるゆめは
てんをついて そらへととどく
いだいなる うつくしき もうそう
むし、はね そらかける かげの
(2)
B
こだま こだまするもりのなか
しんせいなるやみをけがすほど
ただの きたないむしだけれど
ぼくは うつくしいゆめをみる
C
やみですら けがして うごめく
その わたし ゆめでは
S1
そんざいしない そのはねを
はためかせた はいごにできあがる
S1
そんざいしない そのかげが
そのかげだけ わたしをいやすから
S2
それでもぼくが みるゆめは
てんをついて そらへととどく
いだいなる うつくしき もうそう
むし、かげ そらかける かげの
A
どろりどろりと くらやみに
うごめくむしが みるゆめは
きらりきらりと うつくしい
うごめくむしの はねのかげ
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