「水を求めて」 第十話 初戦~そして

投稿者: usericonYUUNOさん

投稿日:2020/02/15 22:19:42 | 文字数:1,720文字 | 閲覧数:11 | カテゴリ:小説

ライセンス:

あらすじ:
オクト山の麓での長い戦乱が終わってちょうど十年。
心優しくも父親(名はラベル)譲りの剣術と槍術、そして母親(名はナル)譲りの馬術の腕前を誇る、十六歳の騎士の少年カリム。そして、同じく父親(名はリトラ)譲りの剣術と母親(名はリリー)譲りの背中の白い翼と、賢さを持ったカリム同様十六歳の剣士の少女ルーナ。
カリムとルーナはそれぞれの両親が同じ国の騎士だった為、このような術を小さな時から教え込まれた。
二人の家族はお互い七歳の時にオクト山山頂の今の五つの村の一つである、ト-ア村の馬小屋と水車小屋に移住してきた。
戦乱が終わりを告げた時だった。
カリムの父親は戦死し、母親は戦乱後引退して家庭の母として、ルーナの父親は山頂の五つの村の同盟騎士団長に、母親はカリムの母同様、引退して家庭に入った。
そんなようやく手にした平和の時間を、揺さぶる出来事が起きた。
オクト山山頂のカルデラ湖からの水が途絶えたのだった。
 最初はルーナの父親が上流まで様子を見に行ったが、連絡が途絶えた。
それでもなお、止まった水車小屋で沢の水汲みをしてしのいでいた、トーア村の下流の人々だったがルーナの父親が旅立って一年後、その同盟騎士団長が殺されていたという噂が上流の村人から流れてきた。
それは山頂の村々で生まれる新たな争いの始まりだった。

前のページへ
1
/1
次のページへ
TEXT
 

「水を求めて」 第十話 初戦~そして
―――――もう何時間になるだろう。
灼熱の炎と対峙して。
ひとふりのひとふりの吐かれる炎は予想以上であった。熱気が体に纏わりつく度、命の危険を感じる。
「ルーナ!今度は左からだ!」
「カリムは真上からよ!」
ゴワッ!と吐かれる炎!!!飛竜は小さいが、攻撃の威力は絶大だ!!!一旦飛竜が離れたと思うと、そこから巨大な炎が襲ってくる!!!
このままではマズイ!!!
とにかく相手は常に空中にいる以上何の手出しもできない!!!
―――――読みをしくじった!
二人は焦り始めた。流石に体力があるとはいえ、何時間も水も飲めないで、炎をよけ続けている!盾はもう全て焼け落ちた。
何か手立てはないか!飛竜を倒せるだけの手立ては!!!と、考えている間もなく、炎をよける!
 そう、考える時間を二人は与えられないで、炎をよけ続けているのだ!
戦争に使われていた理由に気づいたのが二人は遅すぎたのだ。
その時だ!
ルーナが飛竜の挟み撃ちになった!
マズイ!!!
カリムは咄嗟にルーナをかばった!!!飛び込んだのは炎の中だった!!!
「カリム!!!」
ルーナは思わず叫んだが、カリムは火だるまになった!!!
向こうは片方の人間を殺したと思ったのだろう!さらに近づいて来ようとした!!!
今度、吐かれたらルーナも焼け落ちる!!!
ルーナは思わず叫んだ!!!
「クゥーーーーー!!!かかってきなさいよ!あんたたちのせいで世界が!!!カリムが!!!!!」
咄嗟に剣を片方の飛竜に投げつけた!
しかし、それが上手く飛竜の頭部に深く突き刺さった!!!
キシャァァァァアアアアアア――――――――――!!!!!!
片方の飛竜が後ろにのけぞるようにして、ズシンッ!と堕ちた!
またその時!反対側からもう一頭の飛竜がルーナを炎で包もうとした!
(終わりだ・・・・・。)
ルーナは覚悟した。
(私、ここで死ぬんだ・・・・・。)
ルーナは茫然とした。妙に静かに感じた。しかし、そこでカリムの声が聞こえてきた!
「ルーナ。生き延びないのか?」
カリムがいつの間にか立っていた。体の半分が焼かれていた。
「俺は、生きて帰るぞ?」
そういうと炎の熱で弧のようになったカリムの槍に焼け残った木のつるが弓のように結ばれていた。そしてカリムは剣を引っ掛け弓矢のように構え、ルーナに炎を吐こうとした飛竜目掛けて剣を放ち、飛竜に真っすぐと剣が飛んだ。
―――――飛竜はそこでズズンと堕ちた・・・・・。
ルーナはその戦い方にこみ上げるものがあった・・・。
「戦えたんだ。戦い方。あったんだ。私たち。」
「ああ。『こうすると剣が、槍が、使えなくなる。』という概念を捨てるべき戦いだったんだよ。」
ふと、ルーナが、正気に戻った!
「カリム!大丈夫なの!?こんなに体が焼けただれて!!!」
しかしカリムはこう答えた。
「これで、トーア村に水が届くだろう・・・。そうしたら治療するよ。」
カリムは笑いながら言った。
ルーナは、カリムの“雄々しさ”に改めて驚いてしまった。
目前の敵に目がくらみ、ここまで戦いに来た『きっかけ』を忘れていた自分を恥じた。
そう、リトラはもう亡くなってしまった・・・。
なら、余計当初の目的の『もう一つ』を忘れてはならない!
そうあるべきが、忘れなかったカリムは本当の“騎士”だ!
ルーナはそう思った。カリムは、
「やれやれ、任務が終わったなぁ!!!ルーナ!!!」
晴れ晴れしそうに言うカリムに、ルーナは、そうだった・・・。と、思った。
カリムは笑顔で、大の字になった。
ルーナも戦慄から解放されたことにようやく気付いた。
「終わったねぇ・・・。今日は贅沢にこの世界樹をベッドにする?」
「いや、腹減った!!!のどかわいた!!!なんか食いたい!!!」
「ふふふ・・・。やっぱりカリムね!」
「・・・・・帰ろっか?」
「うん!」
いつもの調子に戻った二人は、ゆっくりと相変わらずの会話をしながら、トロル湖を渡り、
いつもの通りに食料を採取してよく食べ、その日は休んだ・・・。
              ―――――第十話 初戦~そして―――――

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

もっと見る

作品へのコメント0

ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!

新規登録|ログイン
▲TOP