ブラインド越しに日が差し込んで、眩しくて目が覚めた。身体を起こすけど見覚えの無い広い部屋。

「う…?どこ?ここ?」
「ん~~~…。」
「……きっ…!きにゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!」

広々としたリビングの真ん中で…。

「ごめんなさいっ!」

正座で謝る羽目になるとは…。

「こちとら疲れてんのに朝っぱらから奇声とかマジ勘弁してくれよ…。」
「まぁびっくりしたのは判るけど、そもそもバテて添い寝した翡翠が悪い。」
「わっ…私は添い寝したつもりは…!」
「同衾だから同じだ。お前が連れて来たんだからお前の責任で管理しろ。」

何だか私と翡翠さんが悪いって事になってるみたい…?でもそうかも、助けて貰ったのにお礼も言わずに私直ぐ寝ちゃって、ここに着いてからもやっぱり寝ちゃって…起きたら隣に翡翠さんが寝…。

「…っ!!」
「あ…っ!!」

目が合って顔ごと思いっ切り逸らしてしまう。どうしよう、思い出しちゃったよぉ…!ヤダヤダ、もう顔も心臓も静まって、静まってよぉ~っ!

「あ…あの…さっきの声は…?」
「あ…!クマ女、お前…!」
「ぴっ!」
「憐梨、大丈夫だ、怖くないから。」
「……。」
「ほら、もう少し部屋で休んでて良いから。」
「はい…。」

何か…凄く綺麗な人だったなぁ、傷だらけだったけど。何であんな綺麗な人が『クマ女』なんて…。

「いつの間に手懐けたんですか?啓輔さん。」
「お前が客間で添い寝してる時。」
「ぐっ…!…ゴホン…!その話は置いておいて、詳細報告に入りたいと思いま…。」


―――ぐきゅるるるる~~~。


「……。」
「………。」
「…………。」
「…取り敢えず朝飯作るよ。えーと、何人?」
「手伝います…。」
「あ、俺和食が良い。」
「贅沢言うな、メニューは統一。」
「ごごご、ごめんなさ~い!!」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

BeastSyndrome -45.食欲も無敵-

シリアスになり切れないのは誰のせいだろうか

※次ページはネタバレ用の為今は見ない事をオススメします。

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投稿日:2010/06/15 17:14:30

文字数:788文字

カテゴリ:小説

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