大切にしていた宝物が
腐り落ちていく音を聞いた
真っ赤に熟れたそれは
摘み頃を間違えた私を
責めるように

ぼとりと落ちて
潰れてしまって
貪るように蛆がわく

描いた夢に
すがった希望に
笑うようにたかる虫けら

やめて やめてよと払いのけて
宝物を抱えても
喰われたそれは空っぽで
うわべだけの残骸で
思い出に変えるには
狂おしいほど甘く薫る

面影に頼るには
変わり果てた宝物
“愛していた”という残響が
溢れた汁から漏れ出した

私もだよと泣きながら
腐ったそれを頬張った
甘い毒が蝕んで
私の体の時間は止まる

ああ私は今この瞬間(とき)
恋心に殺される

ライセンス

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恋心

失恋から死にたくなる話。
よくある乙女心ですよねっ←

閲覧数:73

投稿日:2013/05/20 23:56:38

文字数:285文字

カテゴリ:歌詞

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