朧気な夢の中で見た知らない景色に
どこかで拾った言葉を隠していった
光っているようでくすんでいるようで
きっと明日には消えてしまう拙さで

誰も踏み入らない草むらの端っこに
どこにも通じてないトンネルの片隅に
空っぽのポッケに手を入れると出てくる
薄汚れて錆び付いた温かな欠片たち


気怠げな空想の街に来て人知れずに
誰にも見えない言葉を落としていった
壊れているようで尖っているようで
きっと夜には見つからないほの暗さ

誰も気にしてないガード下の吹きだまり
どこにも繋がらない枯葉だらけの森に
乾いたポッケに指を突っ込むと現れる
端がめくれてほつれて痛んだ破片たち


ねぇこれからみんなは密かな呪文になって
誰かのところに行くんだよ
大丈夫そこにいるだけでいい
言葉たちはそのまま眠っていった


微かな記憶で辿る知らない道の先で
いつか触れ合った言葉を浮かべていった
消えていくようで溶かされてくようで
きっと雨が降れば流れてくか弱さで

誰も見ることのない排水溝のその下で
どこからも見えないゴミで作った鳥の巣
破れたポッケを探してみると出てくる
掠れて忘れられた濁った色のひとかけ


目隠しで巡る匂いだけの知らない街で
誰もいらない言葉をこぼしていった
弾かれるように飛ばされるように
きっと瞬き一つで見失う儚さで

誰も訪れなくなった蔦の這う小屋で
どこにも響かない音を忘れた洞窟で
もうポッケなんか無いのに出てくる
踏みつけてひび割れた色のないひとひら


ねぇこれからみんなは微かなほぎ歌になって
誰かのところで踊るんだよ
大丈夫そばにいるだけでいい
言葉たちはそのまま笑って行った


誰も踏み入らない草むらの端っこに
どこにも通じてないトンネルの片隅に

誰も気にしてないガード下の吹きだまり
どこにも繋がらない枯葉だらけの森に

誰も見ることのない排水溝のその下で
どこからも見えないゴミで作った鳥の巣

誰も訪れなくなった蔦の這う小屋で
どこにも響かない音を忘れた洞窟で


ポッケにはもう何もない触れる指もない
言葉を捉える瞳もない助けを求める口もない
彷徨うための足もない命を失う心もない
朝日を呼ぶための夜もない月はずっと新月

歌えないのに響く聞こえないのに囁く
祈れないのに願う干からびた瞳に涙

落ちていく言葉も拾い上げた欠片も
意思なんて最初から無かった私みたいに
それに意味が有るなんて誰が言いふらした?
きみなの?あなたですか?そこにいる?ねぇ


なんでそんな顔で嘘をつくの?
悲しそうに手を振って笑ってさ

これは言葉たちの代わりに言うよ
いつもありがとうね うれしいよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

密かな呪文

プロフを書いてるときに思いつきました

閲覧数:76

投稿日:2022/01/22 21:21:54

文字数:1,111文字

カテゴリ:歌詞

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