宙、月を欠いた いまにも
沓の先から滲みだすあなたとの夜を思っていた

遠く葉を宛てる 梢は
一人返事を待つ日々に 何を見つけたのか

愛しい細指に羽を休めた鳥
飛べやしない君の行方 誰か、と投げた声も何処へ

滴る星の雨に 濡れてしまえば もうほたりと
上手くはなくてもいい 拙くていい
この喉を鳴らし 飲み干せたら

もう 崩れかけた星霜
吐息ひとつに 霞んでいくあなたの熱を想っている

創、君に乗せた幻想
振り返るほど痛むなら 何を映せばいい

いつかに細指を結ぶ夢を見ていた
気付かれない約束でも 確かに胸は唄っていた

転がす涙飴に 酔いを覚えて 青く白く
夜空に瞬くか 畔に咲くか
どこにも行けずに ただ落ちるか

その身は羽も鼓動も持たず 薄ら揺れる
せめてと見せた窓の外が過ちと云うなら

愛しい細指に羽を休めた鳥
飛べやしない君の行方 まだ届かない 見つからない

滴る星の雨に 濡れてしまえば もうほたりと
上手くはなくてもいい 拙くていい
この喉を焦がし 飲み干せたら

七つ下がりの雨は 月を見て 尚も降り続く
悴む何もかもを 抱きしめるから
願う水溜まり たゆたう鳥

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

【応募採用】 七つ下がりの雨は止まずに【曲つきました!】

つきのPのシングル「Sweet spica」収録曲です。
動画できました!>http://www.nicovideo.jp/watch/sm14134414
素敵なイラスト・動画は翠葉さんが担当して下さいました。なにとぞ!

ーーー

私と、あなたと、
あなたの創った、折り鶴の話。

あなたが何処かへ行った七つ下がりから止まない雨は、
私も折り鶴も屋根の下に留めたまま、まるで追うことを許さないと云う風でした。
あの夜も、熱も、すべてが消えてしまう前に見つけておいで、
そうやって私はあなたの指の香を誰より知る君を飛ばすのですけれど、
夜になっても止まぬ雨は、紙の羽を、すこし先の水たまりに浮かべるばかりで。


ーーー

・・・っぽい感じです。
「夜空に瞬くか畔に咲くか」は、よだかの星と、サギソウのおとぎ話あたりから。
君は折り鶴のことで、あなたが想う人のことです。


七つ下がりの雨・・・午後四時ごろから降り出す雨。なかなか止まない。
星霜・・・年月のこと
創・・・傷のこと(+あなたの創った折り鶴、の意も込めて)

閲覧数:351

投稿日:2011/03/28 22:08:41

文字数:497文字

カテゴリ:歌詞

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