「ただいまー」

仕事帰りに本屋にいったら友達に会った。
その後、少しだけ話した後に家へ帰ってきた。
今は7時30分。夕食の時間だった。

「お帰りなさいレン。あら、リンと一緒じゃないの?」

メイコ姉が携帯電話を片手に言った。

「え?リン?」
「おっかしいわねー……まったくあの子ったらどこに行っちゃったのかしら?
 携帯電話にも繋がらないし……」

こんな時間にまだリンが?
仕事とかは例外で、俺とリンの門限は基本的に6時半。
メイコ姉が怒ると怖いから、リンと俺は絶対にそれを破らないようにしてる。
『絶対』に。

それをリンが……?

「友達の家にでも行ったのかしら?
 まったく……連絡すらしないなんて……帰ってきたらお仕置きよ……」

メイコ姉が携帯電話をパタンと閉める。

「「ごはんできたよー!」」

台所からカイト兄とミク姉の声が聞こえる。

「今日はリンとルカが居ないから、4人だけねぇ……」
「うん……」

夕食を食べ終えて、お風呂に入っても、リンは帰ってこなかった。
時計を見るともう夜の11時半。明日は学校だから、早く寝ないと。

「あの子ったら……」

メイコ姉は酒瓶を右手にリンが帰ってくるのを玄関で待っていた。
左手には携帯電話が握られていた。
自分の部屋に入ると、机の前に英語辞書が落ちていた。
変なの。ちゃんと本棚にしまったはずなのに……
英語辞書を元に場所に戻して、寝た。
なかなか眠れなかったけど、無理矢理目を閉じた。

結局、一睡も出来なかった。

次の日、学校が終わって夕方になってもリンが帰ってこない。おかしい。
カイト兄と、ミク姉も心配そうな顔をしていた。

「まさか……誘拐……」

ミク姉が言いかけた時に、メイコ姉は思いっきり壁を叩いた。

「言わないで」

そのままミク姉は俯いて、どこかへ行ってしまった。
メイコ姉とカイト兄が真剣そうな顔をしている。空気が重い。
俺は、逃げるように、いや、自分の部屋に逃げた。
自分の部屋に入ると、部屋に何かが落ちていた。
それを拾って手に取った。

「なつかしいゲーム機だ……メイコ姉のかな?」

ゲーム○ーイアドバンス……
なぜか勝手に手が動いた。右上の、電源ボタンを押す。
だが、点かない。あ、これは音量ボタンだ。
電源ボタンは左下にあった。
プチッとすると、トゥルーン♪と懐かしい音が鳴る。

その途端、

急に体が重くなった。

「な……っ」

力が入らなくなり、目の前が真っ暗になって、呼吸が荒くなり、

「くら……」

最後に、何の音も聞こえなくなり……

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  • 非営利目的に限ります

のろいのめか゛ね ほ゛うけんの書10

10話です。ここから妄想強くなります。
レンです。レンが……大変な事に……

閲覧数:384

投稿日:2009/04/17 23:28:35

文字数:1,079文字

カテゴリ:小説

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