拝啓君へ
ありがとうさようなら
もう生きてはゆけないな
眩しい朝の日差しも
煌めく夜の星空も
僕にはすべて灰色灰色

ありふれた言葉の暴力と
恵まれなかった巡り合わせ
あぁ救いようがないな
せめて選べるうちに

桜舞う季節に生まれて
季節めぐるたびに春を嫌って
どうして僕は僕を愛せなかった？
こんなにも世界は愛で溢れているのに

荷物まとめて旅に出ようか
あてなどないんだけど
終わりの場所を探す僕は
何かの歌の旅人気取りだ

最後まで嘘つきで
偽りの歌を紡いで
だけどさ最期くらいは
本当の言葉で歌っても良いよね…

春が来て君が言うんだ
「生まれてきてくれてありがとう」
そのたびに春を好きになって
本当は光と愛に満ちた世界で
生きていたかったんだよ

君と生きたかったよ