いつかどこかのある街に
働き者で器量良し
町一番と評判の
娘が住んでおりました
そんな娘が焦がれるは
働きもせず遊んでる
口先だけのロクデナシ
今日も不実な愛 歌う
口を揃え、誰もが言う
「あんな男は止めなさい」
娘は首を横に振り
「それでも彼を愛してる」
月だけが知る秘密 誰も知らない姿
笑う男見つめる 冷たい部屋の娘
“彼の心が欲しい” 叶わぬと知りながら
胸掻き毟る嫉妬 娘は嘆き、祈る
いつかどこかのある街で
或る日男が殺された
「自業自得」と言われつつ
棺が墓地へ運ばれる
「ほら、ご覧」と誰かの声
娘の耳に囁いた
「暗い、深い土の中に」
「愛する人は眠ってる」
周囲の憐れみを 受け流し、聞き流し
棺見送る娘 その眼に宿る歪
叶わぬ筈の願い 気付いてしまった罪
娘の心は、今 彼が欲しいと叫ぶ
「ほら、ご覧」と誰かの声
「墓も、眠りも、静寂も」
「壊し、暴いて、接吻を」
「そしたら彼は君のモノ!」
月だけが知る秘密 誰も知らない姿
手に入れたシアワセに 想いを語る娘
その眼は歪なまま 恍惚の波に酔う
「漸く手に入れた」
「嗚呼、私だけの貴方!」
「大丈夫、大丈夫」
「手放したりしないわ」
「愛してる、愛してる」
「愛してる、永遠に……!」
―――――*―――――*―――――*―――――*―――――*―――――
いつかどこかの あるまちに
はたらきもので き(りょ)うよし
まちいちばんと (ひょ)うばんの
むすめがすんで おりました
そんなむすめが こがれるは
はたらきもせず あそんでる
くちさきだけの ろくでなし
(きょ)うもふじつな あいうたう
くちをそろえ だれもがいう
あんなおとこ はやめなさい
むすめはくび をよこにふり
それでもかれ をあいしてる
つきだけがしるひみつ だれもしらないすがた
わらうおとこみつめる つめたいへやのむすめ
かれのこころがほしい かなわぬとしりながら
むねかきむしるしっと むすめはなげきいのる
いつかどこかの あるまちで
あるひおとこが ころされた
じごうじとくと いわれつつ
ひつぎがぼちへ はこばれる
ほらごらんと だれかのこえ
むすめのみみ にささやいた
くらいふかい つちのなかに
あいするひと はねむってる
◎(しゅ)ういのあわれみを うけながしききながし
ひつぎみおくるむすめ そのめにやどるいびつ
かなわぬはずのねがい きづいてしまったつみ
むすめのこころはいま かれがほしいとさけぶ
ほらごらんと だれかのこえ
はかもねむり もせい(じゃ)くも
こわしあばいて くちづけを☆
そしたらかれ はきみのもの
つきだけがしるひみつ だれもしらないすがた
てにいれたしあわせに おもいをかたるむすめ
そのめはいびつなまま こうこつのなみによう
ようやくてにいれた ああわたしだけのあなた☆
だい(じょ)うぶだい(じょ)うぶ てばなしたりしないわ
あいしてるあいしてる あいしてるえいえんに
或ル恋ノ話~いつかどこかのまちのこと。
以前投稿した「salome―サロメ―(http://piapro.jp/t/0zb8)」を大幅に弄繰り回したら、内容は一緒なんですけどね? 全くの別物っぽくになりました(笑)
興味のある方は見比べてみて下さい。驚く程違いますヨ
恋に狂った 少女の話
*()内は一文字で読んでほしい箇所です
*◎は字足らずの箇所です
*☆が付いている行は文字数が不規則です。ご注意ください
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想