「オーホッホッホッホ。さぁ、跪きなさい!」


私は我侭を言い放題だった。『悪ノ娘』と云われるほどに。


嗚呼、私の周りは敵ばかりだった。

それでも、君は傍にいてくれた。ずっと───一……










【悪ノ娘】ブラコン王女様と忠実な召使【原曲者に謝れ】










私と彼の出会い。


「王女様、新しい召使をお連れしました」


大臣の傍らには、それらしき人物。


「アレン=アヴァドニアと申します」


彼は私と顔がよく似ていた。


「…」
「?どうしましたか?リリアンヌ様」
「いや…」


何故だろうか──一。


「お前…可愛いなーって……」



なんかこの子可愛いよッ!



「リリアンヌ様…今、なんと…?」
「だーかーらーッ!」



彼──一アレンに抱きつく。
アレンは「ぷぎゃ」という小さな叫び声。


「アレンが…可愛いっt「ちょい待てゴラァ!!」


誰!この偉大なる私の愛の告白を遮る者は!!!処刑してやりましょうか!!?


「王女ォォ!!たとえ偉大なる王女だとしてもこの気持ちだけは譲れませんんんんん」





「わたくしも、彼のことが“恋”として好きなのでございますゥゥゥゥ!!!」


「「お前はありえねーだろ!!?」」





***





後日──一。


私はアレンの大臣の魔の手から逃してあげるべく、『緑の国』ことエルフェゴートに向かわせた。


『緑の国』は『黄の国』と比べて豊かで緑に溢れている──一と聞いている。
カイル王子のいる『青の国』ことマーロンは遠いし、緑でリフレッシュするのには最適だろう。


で、アレンがお出かけした後、私と大臣達で会議が行われた。
会議内容はもちろんアレンのことについて。



唐突だけど、これから大臣達数人はアルファベットで表すことにしよう。
(アレンのことを好きといった大臣はAで表すよ。)



「えー、アレン=アヴァドニアのことについてですが…
 彼には辞めてもらうべきだt「異議あr「異議あり!」


誰じゃゴラァ!!この偉大なる私が『逆○裁判』の名台詞(?)の発言を遮ったやつはァァ!!!
出てこいやァ!


「すみません王女様。偉大なる王女様が『逆○裁判』の名台詞(?)の発言を遮ってしまい」


やっぱり大臣Aだったか。こいつ…処刑してやろうかァ?ア゛ァ゛?


「お願いですから処刑しないでください」


ブチッ


「処刑じゃ処刑ィィィィィィ!!!こんな奴処刑じゃァァァァァ!!!」
「ということで、大臣Aを牢屋にぶちのめせ!」


大臣Bに派遣された兵士によって哀れに捕まった大臣A。
フフッ、ざまぁみやがれww


「せめて彼に合わせt「今すぐ処刑台に連れてけェェェェェ!!!」


アレンは渡さァァァァァァァん!!!



その後大臣Aは処刑され、私の「アレンをクビにしたらお前ら処刑するぞ」発言でアレンが辞めずにすんだとさ。





***





唐突だけど、今革命が行われている。


『赤き鎧の女剣士』──一ジェルメイヌという無礼者を先頭に、革命軍が城に攻め込んでいる。
状況は革命軍の有利。私を直に捕まえに行くらしい。


嗚呼、私の人生もこれまでかぁ~。


しゃーない、最後にアレンの写真でも撮って眺めてるか。
その為にはアレンが必要ね。今すぐにでも呼んでっと…


「失礼します。王女様」


あら、丁度いいタイミング。
でもノックぐらいしてもらいたかったわ。


「アレン!ちょうどよかった!実は頼みがあって──」
「王女様、話があります」


何よ、改まっちゃって。しかもこの偉大なる私n(ry


「…僕は、いつも王女様の願いを叶えてきました。メイド服を着たり、メイド服を着たり、メイド服を着たり…」




そういえばそんなときがあったわね


「だから─────一最後に、僕の願いを叶えてもらえませんか?」
「願いって?」
「はい、僕と王女様の服を、取り替えっこするという願いです」





服を取り替える?

え?え?え?


……


アレンの服着られるってこと!?キタ━━(゜∀゜)━━!!



「あの、王女様…興奮なさらないでください」
「あら、失礼。私、ショタコンなのかしら…こんなことで興奮してしまうなんて」



「いえ、王女様はショタコンなどではありません…。
 ─一ブラコンだと思われます」


はぁ?!


今、アレンはなんていった?
ブラコン?なんでそうなるのよ。ブラコンっていうのh


「僕と君は双子なんだよ」


思考を遮らないでほしい。
しかも何でいきなり私語なのよ。


「君は記憶を失って知らないと思うけど…僕らは双子なんだよ」





「僕は君にずっと逢いたかった。だから召使になったんだ。
 君の傍について、君を守りたかったんだ」


意味がわからないよ


「外にジョセフィーヌを繋いであるから、君はこれを着てすぐに逃げるんだ。
 僕が代わりに処刑され──」

「どうしてそうなるの!?」


私の叫びが広大な部屋にこだまする。


「意味が…わからないよ……アレン…」


気が付けば涙が溢れだした。


「さぁ、リリアンヌ。早く着替えるんだ」


アレンの胸で声をあげ泣く。
こんなに泣いたのは初めてだろうか、それとも記憶にない幼少時代にあるだろうか、私にはわからない。


「アレン…」
「なんだい、リリアンヌ」
「最後に、アレンが私のドレスを着た姿をカメラに撮っていい?」
「……いいよ」


私が最後に聞いたアレンの声は、呆れ声に等しかった。



十分に写真を撮った後、ジョセフィーヌで城を出た私には、アレンがどうなったかは知る由もなかった。





***





『リリアンヌ王女』──『悪ノ娘』の公開処刑の時間。


アレンが死ぬのを見るのは辛いが、でも見ないのはもっと嫌だと思い、私も広場にやってきた。


やがて、終わりを告げる午後3時の鐘が鳴る。


「最後に言い残すことはないか」と、処刑人の一言。


『悪ノ娘』は民衆などに目をくれなかった。


そして、私がよく言っていた口癖をいう───────





『あら、おやつの時間だわ』



おろされる刃。刃はアレンの首に向かって落ち、赤い血が飛び散る───一。







「ごめんね…アレン」


私は涙を必死にこらえる声で呟いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【悪ノ娘】ブラコン王女様と忠実な召使【原曲者に謝れ】

リンレン「原曲者に謝れ」
雪りんご「すみませんでした」


前回とは続きのようで続きじゃないよ。
しかもギャグとシリアスの合間というね。

閲覧数:1,851

投稿日:2012/02/23 20:50:22

文字数:2,674文字

カテゴリ:小説

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  • ゆるりー

    ゆるりー

    ご意見・ご感想

    リリアンヌwwまさかのwwww

    >>「せめて彼に合わせt「今すぐ処刑台に連れてけェェェェェ!!!」
    ここが一番ウケましたwwwww
    大臣Aは変態という名の紳士だったのk((

    >>「彼には辞めてもらうべきだt「異議あr「異議あり!」
    ここも好きですww
    まさかの遮りを遮りww
    そして大臣A、偉大なる王女様の思考を読むとは…!
    皆の者オオォォォォォォォォ!!!戦じゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(((((←

    ブクマ頂きます!

    2012/02/23 20:59:48

    • 雪りんご*イン率低下

      雪りんご*イン率低下

      ゆるりーs>

      メッセ感謝です!


      リリアンヌですwwまさかのwwww


      そこが一番ウケましたかwwww
      大臣Aは変態という名の紳士だったのでs((


      ウチもそこ好きですww
      何か自然と「異議あり」という言葉が…w
      そして遮りを遮りもww
      大臣Aはある意味凄いのです!!((何
      ウチも戦に参加するのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(((((←

      ブクマ感謝です!

      2012/02/24 19:52:16

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