【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#04】

投稿日:2009/09/01 21:31:40 | 文字数:3,476文字 | 閲覧数:229 | カテゴリ:小説

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かいとは毎日同じことで悩んでるといい。
同じように悩んで、同じように凹んで、でもめーちゃんを思い出すと頑張れる。
めーちゃんがいないとうちのかいとくんは死んでしまうと思う。

今回はしぐれはきっとメスだよね、でもかいとはオスだと勘違いしてるに違いない。
というつんばるさんの考えをお借りしてみた。つんばるさん最強だと思う。
こうして考えてみると、つんばるさんからいただいたネタが多いよ!驚くほど自分で考えてn(ry
メールでは自分(+KK)の性別の話をしてたんじゃなかったかな。
小説の書き方は女性的なのに、メールやらコメントやらの文章は男っぽいって・・・結局どっちだよ、と。
自分は中性的な文章が書けてたらと思ってるので、どっちかわからないぐらいがちょうど良いのかなと今思いました。今。←

素敵なネタばかり提供してくださるつんばるさんが書いている紅猫編も是非ご覧くださいませ。

+++

「紅猫編」を書いているコラボ主犯
つんばるさんのページはこちら → http://piapro.jp/thmbal

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TEXT
 

!!!Attention!!!
この度、ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、コラボ(二人)で書くことになりました。
自分が書く「青犬編」とつんばるさんの書く「紅猫編」に分かれております。
原作者様には全く関係なく、そして勝手な解釈もいいところで、捏造だろうと思われる部分もあると思います。
そういった解釈が苦手な方はブラウザバック推奨。
なお、カイメイ要素を含みますので、その点にもご注意ください。

大丈夫だよ!寧ろバッチ来い!の方はスクロールで本編へどうぞ。








【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#04】





 あの後、双子と「また明日」と別れてから、いつものように仕事に没頭した。
 相変わらず、俺のことを知っている人の家へ荷物を運べば、親しげに話しかけてくれたり、いろいろとおすそ分けをくれたり・・・全くこの辺りの人たちは本当に良い人たちばかりだと思う。この暑い中、気を緩めるとどこかで涼みたくなる気持ちを叱咤しながら、俺はしぐれと一緒に荷物を運び続けた。
 リンちゃんとレンくんも二人で配達を頑張っているようで、細い道の先にその姿が見えた時は俺も頑張らなければと気を引き締め直す。
 最後の荷物を届け終えて家へ続く道を歩いていると、よく知る駄菓子屋のおばあちゃん――随分もう腰が曲がっていて年は確か八十を越えていた気がする――が、「かいとや、これ持っていきなぁ」と間延びした声で俺を呼び寄せ、半分に切ったスイカをくれた。
 昔からおばあちゃんと呼んでいる人なのだが、今でもまだこうして元気に働いているのを見るとすごく幸せな気分になる。いや、羨ましい・・・が本当のところかな。いつも幸せそうに見えるから。
「いつもありがとう、おばあちゃん」
「いっつもわたしらのために働いてくれとるお礼やからねぇ」
 微妙に滑舌の悪そうな喋り方だが、この年齢にしてはしっかりした元気な声で、おばあちゃんは笑って手を振ってくれた。
 半分に切られたスイカを抱えて、隣を我がもの顔で歩いているしぐれを見下ろすと、まるで示し合わせたかのようにしぐれもこっちを見上げる。鼻をひくつかせているところを見ると、俺を見ようとしたのではなくスイカが気になったのだろうが。
「帰ったら切り分けて食べような」
 しぐれが賢そうな目を向けて、吠えることもなく理解したような素振りを見せて前を向いた。
 ・・・本当にお前は賢いんだな。小さく笑みを浮かべながら、俺は双子に話しながら脳に過ぎった嫌な予感を思い出して少し身を震わせていた。

 縁側に切り分けたスイカを皿に乗せて持って行くと、しぐれは既に尻尾を振ってお座りしていた。言われなくても本当に礼儀が正しい犬だ。
 そういえば、この犬に関して知っていることなんて何もない。ただ、少し遊んでやったらついてきて、家の中に上がり込んで・・・だからといって他の犬のようにずかずか入り込んで家中を泥だらけにするなんてことはないし、食糧を勝手に漁ることもない。そんな、犬らしくない犬・・・それがしぐれだった。
 俺が知っていることといえばそれぐらいで、他には何も知らない。
「しぐれ・・・お前はどこから来たんだ?」
 音を立てながらスイカにかぶりついているしぐれは、俺の言葉など聞いていないようだった。自らもスイカを口に運びながら、縁側から足を外へと放り出してぶらぶらと揺らしてみる。
 そういえば、昔一度だけめいこの家の縁側に座って話をしたことがあった。あの時は珍しくめいこのご両親が留守で、女中さんの目を盗んでこうして縁側に座って景色を見ながら他愛ない話をして過ごしていた。ほんの数分のできごとだったが、とても楽しかったのを覚えている。
 この幸せを手放したくないと、そう思ったものだった。
「――めいこは、すごく強い人なんだ。男の俺なんかよりずっと」
 何も応えてはくれないしぐれが、話し相手としてはちょうど良い。我関せずというその態度が今はありがたかった。
 俺が言おうとしているのは、弱音だ。いつまでも会えないことへの不満が凝り固まってしまったものだ。誰かに聞いてほしいだけで、決してそれを肯定してほしいわけでもなければ、否定してほしいわけでもない。何か助言がほしいわけでもないのだ。
「もしかしたら、もう忘れてるかもしれない。もう、取り戻せないかもしれない」
 あの幸せだった日を取り戻したいと思っているのは、俺だけなのかもしれない・・・と、これはほとんど毎日のように思ってることだ。
 遠く離れてから初めて知った不安。それは、徐々に俺を蝕んで心の中を空虚で満たし始めている。めいこが同じようにまだ俺を好きでいてくれたとしても、彼女は強い人だから、俺のように寂しいとか・・・きっとそんな風には思っていないだろう。
「こんな俺を見たら・・・めいこは怒るだろうな」
 深いため息と一緒に弱音を全て吐き出して、スイカを食べ終わって俺の方を見ているしぐれの頭をぽんぽんと軽く叩いた。
 スイカの最後の一口を頬張って、口の中にためていた種を皿に吐き出す。しぐれは不思議そうな顔で、そんな俺を見ていた。俺が種を吐き出しているのが不思議だったのか、それとも俺の独り言が不思議だったのかは定かじゃない。
「人を好きになるって、簡単なことじゃないんだな」
 なぁ、しぐれと同意を求めてみたが、しぐれはただ俺を見つめるだけでいつものように鳴いてはくれなかった。犬から見ても、俺は滑稽に映るのだろうか。いつまでもたった一人ばかりを追い続けている俺は、愚かなんだろうか。
 もしも俺にしぐれのような足があったなら、すぐに走っていきたい。もしも俺に鳥のような翼があったなら、すぐに飛んでいきたい。
 そんなことばかり思っている俺は、悪い病気なのかもしれない。
 体を床に預けてのんびりしかけたしぐれの体を持ち上げ、ぶらんと垂れ下がる体を支えずに自分の方へと引き寄せる。四肢をすっかり伸ばした体勢で、しぐれは突然自分を持ち上げた俺を呆然と見つめていた。
「しぐれも男の子だから少しは俺の気持ちもわか・・・る・・・・・・?」
 わかるよな、とは言葉が続かない。代わりに俺は、お腹を見せて伸びている(俺が抱いているせいなのだが)しぐれをまじまじと見て、「あれ?」と間の抜けた声を上げた。
 ――ない。首を横に振ろうが瞬きをしようが、そこにあるはずのものがない。
 ちょっと待て、確かに彼は・・・。
 そこまで考えてはたと気付いた。そういえば勝手に思い込んでいたが、確かめたことはなかった。自分と妙に気が合うものだから勝手にそうだとばかり思っていたのだ。
「・・・しぐれ・・・お前、メスだったのか・・・!」
 目を丸くして声を上げれば、しぐれはようやく一鳴きした。思わず愕然としてしまう。
 しぐれが人語を理解しているというのは共に過ごした時間が真実だと示してくれる・・・つまり、俺は勝手に勘違いしていたということだ。幸いなのは、オスでもメスでもあまり違和感のない名前だったということだろうか。
「ご、ごめん、しぐれ・・・俺、てっきりお前はオスだと・・・」
 くぅんと可愛い泣き声を上げて、しぐれは慰めるように俺の顔を舐めた。
 そういえばこういう気の遣い方をするところは確かに女性的かもしれない。何故今まで気付かなかったんだろう。
「・・・これだから頼りないとか言われるのか・・・」
 荷物を持っていっても「もう少し頼りがいのある男になんなよ」とか「いい男なんだけどちょっと天然なところがね」とか言われるのは多分こういう抜けてるところを指摘されてるってことなんだろう。
 大人になって俺も随分男らしくなったと思っていたが、もしかしたら大人になった彼女から見れば、俺はまだまだ子供なのかもしれない。
 そう思うとますます自分が情けなくなって、しぐれを足の上に乗せて体を後ろへと倒した。
「――確かめたいなぁ・・・」
 俺がどれだけめいこに見合うような男になれたか、早く確かめられたらいい。でも、多分それよりも先に・・・今めいこに出会ったら、すぐに抱きしめたくて仕方なくなるんだろうな。
 抱きしめて閉じ込めて、自分だけのものにしたい。そのために俺は、一刻も早くめいこの元へ行くための資金を集めるんだ。
 そうだ・・・こんな風に弱音なんて吐いてる暇はない。
 俺は一つ息を吐き出して、しぐれの頭を撫でた。




思いついたことをマイペースに書いていけたらいいなぁと思っている暇人。



2012
~1/ 3  ツギハギだらけの今(完結・全9話+α)

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