四角い箱の中で少女はそこから出られない
箱の外の生き方を学ばないように育てられた

不幸な猫を膝に乗せ
正しい撫で方で愛でる

愛情なんて上の空
命が消えるまで

美しい箱庭
砂の中から落ちて
もう戻れないことを嘆くように言い聞かせてきた

憎しみを海から
子守唄にのせ語り継ぐ
美しい微笑みを湛えて
その首に纒わす

締めの甘い蛇口から滴る水を集め
既製品のガラスのコップを満たそうとしている
それを生きる歓びと思うようにして
博愛精神と感謝の心で飲みましょう

そう言いながらずっと
口をつけられずにいる

飾られた箱から
讃える詩を歌い
部屋の隅に死体を積み上げて
また繰り返すよ

ニヴルヘイムの底から
響く声を聴いて綻ぶ
プログラムの残酷を知らせる
まっすぐに心に

振り向かず生きてゆく
いつか報いを受けるまで

美しい箱庭
その小さな砂漠で
悲しみを癒す水を求め
彷徨う影を見た

神のオルガンに併せて
コンテンポラリーバレエを踊る
美しい終焉を彩る
レクイエムを注ぐ