大事な宝物がほしくて
目に映るすべてに手を伸ばし
手に入れてはまた飽きて棄てて
「独りは嫌だ」と泣き喚いて

温もりを求めていただけだ
安心を探していただけだ
優しくされたらボロが出るから
誰も要らない
近寄らないで


昔夢見た幸せなんて
どうせどうせ
掴めないよ
憧れていたあの子の様に
いつもいつも
笑えないよ

泣いてばかりさ
拗ねてばかりさ
誰も誰も
気にしないよ
今一つだけ求めるものは
それはそれは
ちいさなもの


「愛」さえも凌ぐ様な
悲しみに飲み込まれてさ
もう諦めたんだよと
無責任にへらへらしてさ

何か知らないものにずっと
追いかけられてる気がしてさ
走りつかれた後に
差し出された手を掴む


大事な宝物がほしくて
また今日も何かに手を伸ばし
触れた指先に走る痛みを
初めて感じて戸惑ってさ

寒さから逃げていたいだけだ
不安から逃れてたいだけだ
そんな風に笑われても何も
僕はもってなんか
いないのさ


昔に聞いた御伽噺は
とてもとても
嘘くさくて
期待していた未来はもうね
何も何も
見えなくなって

こんな惨めで愚かな僕を
そっとそっと
抱き締めてさ
あの子みたいに笑う君をさ
僕は僕は
愛してんだよ


そして
「哀」さえも凌ぐ様な
喜びに飲み込まれてさ
まだ大丈夫だよなんて
無責任に言ってみたりして

何か知らないものにずっと
追いかけられていたとしても
また君があの日のように
手を出してくれると信じた



大事な宝物は何時かは
消えていくことを知らなかった
無残に散った幸せの前
一人たたずむ滑稽な僕

君が傍で笑わないのなら
僕が愛を感じないのなら
此処に居る意味もないから
消えよう

二人結ばれたあの場所で




「愛」も「哀」も全部全部
君に飲み込まれてさ
暗い闇に堕ちていった僕を
その瞳でさぁ見つけて

何もかもを捨て去った
僕が手に入れたものは
とてもとてもきれいで
光り輝いてた



愛も哀も全部全部
君と分ち合ってさ
「今度はもう離さないよ」なんて
無責任に言ってみるよ