店内にはシックな音楽が流れている。
そこはコーヒーの良い香りも流れていた。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



気まぐれで寄った喫茶店。
いつもだったら行かないような雰囲気の所。
でも、今の私は静かな所に行きたかった。
……だって、



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「いらっしゃいませ。」

入り口を見ると、緑の髪をした女の子が立っていた。
その子は少し寂しげな顔をしていた。

「コーヒーが飲みたいの。すごく苦いやつ。」

その子は席に着くなり、そう言った。
何か嫌なことでもあったんだろうか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「どうぞ。」

運ばれてきたコーヒーはとても良い香りだった。
私はそれを一気に飲み干した。
あー本当に苦い。
本当はもっと香りとかコクとかを気にするんだろうけど、今の私にとってはどうでもいい。
今思えば、私の恋も苦いコーヒーのようだった。
…泣いちゃダメだ。
もう彼のことは忘れるんだ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



あんなに苦いコーヒーを一気に飲み干すなんて驚いた。
…また泣きそうな顔をしている。
今のあの子には、これがいいだろう。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「あの…私、これ、頼んでませんけど…。」

席を立とうとしたら、さっきの店長みたいな人が何かを運んできた。

「サービスです。心が落ち着きますよ。」

そう言って差し出されたのは、温かいミルクだった。
「…ありがとう、ございます。」

私はそれを手にとった。
さっきのコーヒーとは違う甘い香りがした。
あの人が言っていたように、心が落ち着いた気がする。
それをゆっくり飲み干して、席を立った。

会計を済ませ、店を出た。
最初の時とは違い、心が軽いような気がする。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



良かった。
あの子が笑顔で店を出ていくのを見て、ホッとした。
お客様を笑顔にするのも、僕の仕事だ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



―いらっしゃいませ。今日は何をご注文ですか?―

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

コーヒー ver.檸檬飴

またやります!!
禀菟と魔熊とのお題の出し合いを!!

今回は魔熊の「コーヒー」というお題です。

ヤバイ。スランプだ。どうしよう。
脱スランプを目標に頑張ります。

閲覧数:133

投稿日:2011/05/22 13:02:30

文字数:868文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    オーナーさん?
    ミクが失恋とか…俺がいるじゃないk((殴。

    コーヒーは砂糖たっぷりがいいな~

    2011/05/22 13:37:58

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