猫から見たボカロ~ロシアン・オン・ステージ!!~

投稿日:2011/12/19 13:37:39 | 文字数:5,535文字 | 閲覧数:342 | カテゴリ:小説

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どうもこんにちは!Turndogです!!

ついに第一シリーズ「猫から見たボカロ」完結しました!!!

ロシアン「…というのはちょっと待った!!吾輩の調査日記がまだだろう!!!」

ええ!?お前そんなんつけてたの!?

ロシアン「そうだっ!!それをエピローグとして出すんだよ!!」

そ…そりゃすみません…。

ということで。あと一話だけ続きますwww約束破ってごめんね。

ロシアンはこの先どこへ行くんでしょうね。その旅路は書くつもりはありませんがwww

次こそ本当の最終回!!…感動は…あるかな?ww

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TEXT
 

 やぁ諸君。吾輩は猫である。

 吾輩は今町の中心のステージに向かっている。ミクと初めて出会った、あのステージだ。もちろん猫又の姿は隠してだ。

 1週間前、ルカと別れてから、吾輩は不思議なことにボカロの仲間に―――――いやそれどころか、町民にすら会わなかった。

 「1週間後町のステージにて」と言い残したルカ。今日がその1週間後だ。いったい何をするつもりなのか…?

 そうこう考えているうちに、吾輩は町のステージについた。

 そこで起きていたことは、吾輩の目を疑うほどのことであった。


 『ワアアアアアアアアァァァァァァァァァ………!!!!!!』


 人、人、人……何百人、いや何千人、いやいや一万はいようかという人の群れが、ステージの前に集まっていた。

 一体何事だ!?

 すると、前のステージでいきなり白い煙が噴き出した。

 そこから現れたのは――――――――――


 『みぃいいんなぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ!!!!!!のおおおおおってるかあああああああああい!!!!!!?』

 『イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!!!!!!』


 酒女のメイコだった。スタンドマイクと、なぜか芋焼酎の瓶を片手に荒々しく叫んでいる。

 その後ろから華麗に三回転宙返りして表れた者がいる。


 『みんな行くぞ―――――――!!!!!!!!合言葉!!!!!!『卑怯は』――――!!!?』

 『誉め言葉だあ――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!!』


 優男のカイトだ。何だこの一般人との一致団結さは。

 そして次に駆けてきたものは、長い青緑のツインテールを揺らしている。


 『みっくみくに…してやんよ――――――――――っ!!!!!!!!!!!!!!!』

 『みっくみくに…されてんよー――――――――――――ッ!!!!!!!!!!!!!!』


 初音ミクだ。この言葉も彼女の合言葉的なものなのだろうか。

 すると今度は、吾輩の後ろあたりから重機が高速で迫ってくる音が聞こえた。


 『WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYN!!!!!!!!!!!!!!』


 超高速でロードローラーが突っ込んできて、ステージの横にとまった。

 そこから軽やかに飛び上がり、ステージに降り立ったのは鏡音リンとレンだ。


 『私たちの歌も知ってるよねー―――!!!!!!『さあ!ひざまずきなさい!!』』

 『悪ノ娘―――――――!!!!』

 『俺のこれはどうだい!?『君を守るそのためならば、僕は悪にだってなってやる!!』』

 『悪ノ召使―――――――!!!!』


 あんな暴走双子も、この町の皆には受け入れられているのか。

 そして最後にゆっくりと出てきたのは、巡音ルカだった。


 『キタ―――――――――!!!!!俺らのルカさ―――――――ん!!!!!』

 『L・U・K・A・ルカさ―――――――――――――――――ん!!!!!!!!』



 大きな声援が飛び交う。一番人気とはルカのことなんじゃないのか?

 大きく盛り上がっているところで、すっ…とルカが両手をあげた。


 『パン!パパパン!!!』


 リズムよく手拍子がたたかれると同時に、観客の声がやんだ。

 ルカはメイコに、スタンドマイクを借りて話し出した。


 『皆さん。今日はお集まり頂き、誠にありがとうございます。私たち本人の、ライブでないのにも関わらず…ね。』

 「かんけーないぜルカさーーーーん!!!!」

 「そうだぜルカさん!!ボカロの皆の頼みなら叶えるが筋ってもんだ!」


 一体どういうことだろうか?


 『ふふっ、ありがとう。それでは、今日の主役に上がってもらいましょうか。みんなの後ろにいる、猫又のロシアンちゃんにね!』


 !!!?


 「さ、おいでロシアンちゃん。」

 『お…おいルカ、貴様なぜそのことをばらす!?』

 「そうでもしなきゃ、あなたの言葉を伝えることができなかったもの。だいじょうぶ。もうみんな知ってるわ。あなたが猫又だってこと。知った上で来てくださったんだから、おいでなさい。」


 仕方ない。吾輩は「力」を解放し、飛び上がった。

 華麗にステージに降り立った吾輩の体は、すでに猫又と化していた。

 観客の中から、どよめきがあふれる。

 再びルカが話し出した。今度はスタンドマイクなし、肉声だ。


 「皆さん、昨日テレビで放送した通り、この猫又のロシアンちゃんは、あちこちを旅してきた旅猫なんだそうです。いろんなところを旅して人間を知ろうとした。そしてこの地にやってきて、私たちと出会い、そして深く知ろうとしたためにこの町のみんなと親しくなってしまい、旅に出るに出られなくなってしまった。みんなとの絆を、壊したくなかったそうです。みんなと、別れたくなかったそうです。」


 マイクなしの肉声なのに、よく響いている。ボーカロイドとしての機能か、それとも言葉の重みか。観客の中に、何人か涙するものが出てきた。


 「ロシアンちゃんは、もう一度旅に出たいそうです。でもその前に、一度みんなに断りを入れたかった。『せっかくやさしくしてくれたのに申し訳ない』と。そして『また必ずこの町に戻ってくる』と。だからロシアンちゃんは、人の心を読み、動物の言葉を通訳する力を持つ私に頼んだのです。皆さん、どうでしょう?ロシアンちゃんの願い、受け入れますか?」


 観客の皆は、互いにうなずきあい、大きな声で叫びだした。


 「もちろんさ!!」

 「この町と僕らをこんなに大切に思ってくれる猫の願いだって、叶えてあげなきゃ!」

 「ロシアーン!!またこの町に必ず戻ってきてくれよな―!!」


 まるでルカが出てきた時の声援のようだ。いや、それをも超える声援だ。

 吾輩の目から、一筋の涙がこぼれおちた。ふっ…涙など、あいつが去って行ったときに涸れ果てたと思っていたが、まだ残っていたのだな。

 ルカは満足そうにうなずくと、再びマイクを使って話し出した。


 『それでは最後に、そのロシアンちゃんから言葉をもらいましょう。…私が通訳するわ。お願い、ロシアンちゃん。』


 吾輩はうなずいて、話し出した。同時にルカが通訳を始めた。


 『…諸君。吾輩は猫である。こんな吾輩のために集まっていただき、感謝する。…吾輩の我儘のために、皆の生きる貴重な時間を使ってしまい、申し訳ない。』

 「そんな大げさな…。」


 観客の誰かがつぶやいた。


 『確かに大げさかもしれない。だが、300年…300年生きて、吾輩は知った。畏れるべき『死』というものが、どれほど大切なものか。『若さ』というものが、どれほど大切なものか。皆にはまだまだ時間がある。だが、いつか必ず死が来る。それまでにどれだけ有意義な時間を使えるか、それが大切なのだと吾輩は考えておる。』


 観客は静まり返って吾輩の話を聞いている。普通の人間にはにゃあにゃあとしか聞こえないはずだが、それがルカを通して吾輩の語りとなって伝わっていく。


 『吾輩はこの300年間、見失った想い猫をさがして旅をしてきた。だがそこで手に入れた物など、何一つなかった。しかし、この町で過ごした一カ月は、素晴らしい充実感に満ちていた。吾輩は気づいた。見失ったものを追いかけるより、目の前にいる者に仲間を見出すべきであると。…普通の猫又の寿命は200年と言われておる。もしかしたら、吾輩が追っていた雌猫又はもうこの世にはいないのかもしれぬのに、吾輩はいつまでもそ奴の幻影をおって、『色』のない旅を続けておったのだろうな。』


 観客の中からすすり泣く声が再び聞こえてきた。


 『いいか皆の衆。吾輩のような猫に教えを説かれるのは遺憾かと思うが、聞いてほしい。目の前にいる、己を大切に想ってくれる者を大切にしなければ、限りある命を燃やしつくすことはできぬ!今日家に帰ったら、恋人でもいい、家族でもいい。自分のことを大切に想ってくれている者に、何か恩を尽くすのだ。そして言え。『いつも大切にしてくれてありがとう』と!…吾輩に、いちばん大切なことを気づかせてくれた礼だ。』


 観客の中から、パチ…パチと拍手の音が聞こえてきた。それは次第に広がり、やがて観客全員から拍手が沸き起こった。

 ミクたちも驚いている。そして他ならぬ吾輩も驚いた。そして感無量だった。吾輩の、猫又である吾輩の言葉が、人間たちに通じたのだ。

 吾輩は静かに笑って目を閉じ、そして尻尾の碧い焔を吹きあがらせた。

 一瞬観客が静まったのを確認して、もう一度話し出した。


 『それと…吾輩に名前は必要ない。名前が吾輩に釣り合わんからな。文句は受け付けん。だが…お主たちが呼びたいというならば…吾輩の名は、今日から『ロシアン』だ。またいつか、この町に戻った時、そう呼んでくれ。…最後まで聞いてくれてありがとう。そしてひと時…さらばだ。』


 吾輩はルカに目くばせした。『終わらせてよい』と。

 ルカは頷いて、マイクで話しだした。


 『皆さん、今日はお集まりいただき、本当にありがとうございました!!またいつの日か、ロシアンちゃんに会える日を楽しみにして、ごきげんようさようなら!!』

 『ワアアアアアアアアアアァアアァァァァァァァアァァ………!!!!』






 吾輩とボーカロイドの皆皆は裏に引っ込んだ。

 吾輩はルカに向き直った。


 『ありがとう、ルカ。おかげで思い残しがなくなったぞ。』

 「どういたしまして♪」


 ミクがのぞきこんできた。


 「ルカねえ、猫ちゃ…じゃないロシアンちゃんはなんだって?」

 「ありがとうだって。旅立つ準備もできたみたい。」


 リンとレンが少しふてくされている。


 「もういっちゃうんだ。ねこ助のこともっと轢いてやりたかったのに。」

 「リン、それを言うなら遊びたかったのにだろ…。」


 吾輩はにやりとして、少し喋った。

 当然リンとレンはわからないので、ルカに聞く。


 「ルカさん、なんだって?」

 「猫又の力を解放した今の自分なら、ロードローラーを粉砕するのは朝飯前だぞだって♪実際この子はできちゃうよそれぐらい。」


 リンとレンはがたがた震えだした。相当壊されたくないようだ。


 「…て言うか、ロシアンちゃんも認めてくれたんだから、『ねこ助』じゃなくて『ロシアン』って呼んだら?」

 「いいの!あたしたちの中じゃこいつはねこ助!」


 ミクの言葉などお構いなしだ。まったく面倒な双子だ。

 その時、我々に駆け寄ってきた者がいる。


 「ごめんごめん、遅れちゃった。」

 「すみません…いつもホントすみません…。」

 「あーもうハクぅ~!?謝ってばかりでどーすんのよ!!」

 「あうぅ…。」


 活発なほうは金色の髪をサイドテールに結び、暗めなほうは白髪を後ろでリボンで結んでいる。

 どこかで見たような顔だが…。


 「ロシアンちゃん、この二人は以前言った、ミクのプロトタイプが独自進化した『亜種』よ。金髪が「亞北ネル」、白髪が「弱音ハク」よ。」


 なるほどそうか、こ奴ら、どちらも少々違った顔だが、ミクに似ているのだ。


 「相変わらずひどいなぁ~ルカさん。プロトタイプ言わないでよ!傷つくんだからぁ~!!」

 「仕方ないじゃない…所詮私たちはプロトt」

 「ハク黙れ―――!!ネガティブストップ!!」

 「はいはい、ごめんねネル。」

 「で、頼まれてたもの、はい。この猫の首のサイズより少し大きめだけど、ここをこうしてこうすれば合うはずうだから。」

 「ありがと♪」


 ルカは吾輩に近づき、首に何かをかけた。

 其れは無限のマーク「∞」に何本かの坊が絡み合ったような、よくわからぬ形の首飾りであった。

 よく見るとこれは…笛…か?

 見れば、ルカも同じものを持っている。…というか、この形はルカの衣装の胸の飾りと同じではないか。


 「ネルは手先が器用だから、作ってもらったの。これは『心透視笛』。金管楽器をイメージしているの。吹けば私の胸飾りと共鳴し、私と交信がとれる。私の『心透視』で、いつでもあなたと話せるわ。」


 わざわざこんなものまで…。本当に吾輩は、この町で大切なものを手に入れた気がする。


 『心遣い、感謝する。』 

 
 吾輩は近くに合った時計を見た。


 『おっと、そろそろ行かなければ。』

 「もう…行ってしまうの?」

 『ああ。改めて、ありがとう。必ずまた、この町に戻ってくる。…さらばだ。』

 「…うん!またね、ロシアンちゃん!」


 吾輩は別れを告げ、歩き出した。


 「元気でいなさいよ~!!」

 「怪我に気をつけるんだぞ~!!」

 「またあそぼ~ねぇ!!」

 『また来いよ―!!』


 メイコ、カイト、ミク、リンとレンがそれぞれ声をかけてくる。

 吾輩は二本の尻尾で応えて、この町の門を出た。



 さらばだ。そしてまた会おう。『ボーカル・アンドロイド』たちよ…。

最近はテラリアとプロレス動画ばっかりしてます。ボカロ書けよ。

バトルモノばっかり書いているTurndogです。
今の目標としては現シリーズの完結を目指します。

新しい物語も書きたくなってきたよ。

予定を知りたかったら「猫又ロシアンからのお知らせ~Turndogからの手紙~」をみてください。
http://piapro.jp/t/McFB

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作品へのコメント3

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    ご意見・感想

    わわ…………………
    ロシアンちゃんーーーーTAT
    泣けます;;
    すごい泣けます;;
    元気でねーーーーーーーTAT

    この回何度か読み返してたら疲れたんで一旦休憩ww
    次のシリーズがめっちゃ楽しみです!

    ハクネルwwww

    2012/11/04 16:48:16 From  青蝶

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    メッセージのお返し

    泣けますか!ありがとうございます…!!
    このへんが全盛期ですわwww

    まぁじっくりお読みください。
    どのみち後四カ月弱ほど投稿できませんし…ww

    2012/11/04 20:44:13 Turndog~ターンドッグ~

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    ご意見・感想

    はじめまして!
    イズミ草です!

    しるるさんの「妖精の毒」で、いつもメッセージ書いてるんですが…私のこと知ってますか?
    いや、知らなくてもいいんですがね!

    私は、Turndog~ターンドッグ~さんのことなんとなく知ってたんですが
    『猫からみたボカロ』シリーズ読ませていただきました!

    最初の入りからなんか、好奇心がふつふつとわき出るような文章で、すごいですね!いいなあw
    ルカさんのあたりからなんだか深イイ話になっていったので感心させられました!

    私も、テキストを投稿しているのですが、バトルはあんまり向いてない様で…ww
    ターンドッグさんが羨ましいですww

    まだこのシリーズしか読んでないです、すみません><
    これから読ませていただくつもりなので、よろしくです!!

    フォローもさせていただきますね~
    長々と失礼しました><

    2012/07/02 19:10:09 From  イズミ草

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    メッセージのお返し

    初めまして!Turndogと申します。

    存じておりますよ!テキストは受験生なもんでちょいと忙しくてまだ読んでませんけど…イラストは何度か見させていただきましたよ!鏡音三大悲劇のイラストが泣けて泣けて…(涙)

    書いてると分かるんですけどね、やっぱ全盛期は最初の二作ぐらいなんですよね…(早い
    だんだんと単調になってるようななってないようなww

    ルカさん結構諸刃の剣なんですよwwルカさんなう!な人間なもんでルカさんが絡むと無意識に感情移入した文章になっちゃうというw

    逆に自分はバトル以外が書けないのでほぼ周り全員がうらやましいですwww

    これからも長々と書いていく予定なので、飽きるまでお付き合いいただけると感謝感激雨あられですねw

    こちらもフォローさせていただきました!
    これからよろしくです。

    2012/07/02 22:43:39 Turndog~ターンドッグ~

  • userIcon

    ご意見・感想

    最終回おめでと~
    まぁ、まだもう一話あるみたいだけどw

    ロシアン、よかったね
    お元気でw
    (^-^)/

    次回作はどのようなものになるのだろうか
    こうご期待!!www

    2011/12/19 16:43:47 From  しるる

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    メッセージのお返し

    リンリンサウンドが火を吹くぜ!!

    ということで次はリンが悪い意味で主役になります。

    2011/12/19 23:16:18 Turndog~ターンドッグ~

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