新しい“動くお店”、移動式店舗の「ドナドナ号」のところにいたルカさん。
ふと気がつくと、美里課長が2人の女の子を連れて、そばに来ていた。

「あ、課長」
「紹介するわ。こちら、巡音ルカさんです。ルカさん、こちらが、大間津奈ちゃんと、多胡流香ちゃんです」
「おおま・つな です」「たこ・るか です」「よろしくおねがいします」
2人の女の子は、声をそろえて言い、頭をペコリと下げた。


●新しいスタッフが合流!

ルカさんが挨拶を返すと、課長は言った。
「こんど始めるこの“動くお店”は、カフェの仕事がメインだから、2人に手伝ってもらうことにしました」
2人とも小柄で、ちょっと見ると双子のようだ。

津奈ちゃんが、にっこり笑った。赤毛でメガネをかけている。
「おおま・つな です。ふだんは経理部で働いています。ドナドナ号がスタートしたら、その専属になります」
明るい声で言った。

流香ちゃんがおじぎをして言った。ピンクの髪の毛が、小さい体の半分以上ある。
「たこ・るか です。津奈ちゃんの友人です。アルバイトさせて頂きます」
「どうぞ、よろしくね。あら、私と名前がおんなじね!」
ルカさんは、にっこり笑った。


●カフェと雑貨を売る、動くお店

課長がとりいれた、クルマの移動式のお店は、
「モトヤ・エクスプレス」というカフェ・スタイルのビジネスだ。

カフェの仕事には、飲食を扱うので、「食品衛生責任者」が必要になる。
経理部で働く、大間津奈ちゃんは、この資格を持っていた。
そこで、ドナドナ号の責任者に抜擢されたのだ。

多胡流香ちゃんは、喫茶店で勤めた経験が長い。そこで、バイトで採用された。
2人とも、とても張り切っている。


●クルマ、かっ飛ばしてお仕事!

「課長、このドナドナ号はいつから運営するんですか」
ルカさんが尋ねた。
「そうね。もうそろそろ冬になってしまうわね」
課長は、クルマに手をおいて言った。
「冬のあいだは、展示場などのイベント会場でお店を出して、春の季節になったら、野外で本格的に営業したいわ」
3人はうなずいた。

「あの、私、クルマの運転には、ゼッタイ自信があるんです!」
多胡流香ちゃんが言った。
「あら、そうなの?」
「はい」

彼女はつづけた。
「イベントの会場とかでは、お客さんが少ない時も、きっとありますよね」
「そうね」
「そんな時は、いろんな場所へ、コマメに立ち寄ります!」
「いろんな?...」
「はい!」
ピンクの髪の毛を、わさっと揺らせてうなずいた。
「このドナドナ号、かっとばして!いろいろ立ち寄るんです!」

美里課長は言った。
「やる気はうれしいわ。でも...うちは灯油の配達車じゃないのよ」(-_-;

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

玩具屋カイくんの販売日誌 (33) たこるかちゃんと、ツナちゃんが来た

いまは、物販は厳しいですからね。カフェは結構、人気があるようです。

閲覧数:85

投稿日:2009/11/28 10:35:19

文字数:1,136文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました