タイトル未定(8)

投稿日:2019/10/18 22:12:25 | 文字数:950文字 | 閲覧数:32 | カテゴリ:小説

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ボカロ小説(童話)つづき

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 「タイトル未定」

8. 小鳥の行方

 「鉢から勝手に出ちゃ、だめじゃないか。」

 今度は、僕の前に、包帯を巻いた、金髪の男の子が、現れた。前髪に隠れて、顔が良く見えないけど、背丈といい、何と言い、僕とそっくり。

 アロエ・GUMIは、はた目にもわかるほど、眼差しが、潤んできて、急に、優しくなった。

 「だって、私の小鳥が、逃げたんだもん。」

 「〈鳥かご〉から、逃げたのは、アロエの方だろう? 僕が、どれだけ探したと、思っているの。この間、リンちゃんに、やっと、戸棚から出してもらえて、助かったと思ったら、ベランダにも、いないじゃないか。」

 「私は、〈鳥かご〉の小鳥じゃないわ。」

 声色も、僕と話してた時とは、違う。さっきは、どう見ても、挑発的だったのに。

 「あ、そう。でも、〈小鳥〉は、ちゃんと、帰る場所を知ってたよ。こっちも。」

 男の子の腕に止まった小鳥と、アロエ・GUMIを、交互に見比べてから、僕は尋ねた。

 「リンと知り合いですか。」

 男の子の方が、先に答えた。

 「〈知り合い〉って、あんたも、僕を、サラダにかけて、食べてるでしょ?」

 「そうよ。アロエの鉢植えを、見晴らしのいいベランダに置いてくれたのは、あなただったわ。」

 「僕は、」
 「私は、」
 
 「オリーブオイルの、」
 「アロエの、」

 「精だよ。」
 「精よ。」

 早口の二人の声が重なって、ほぼ同時だったけど、2人は、どちらも、妖精らしい。

 「そうなんだ。それは、どうも。」

 そう言っている間にも、仲良しの2人は、デレデレし始めた。明け方の、僕の庭で、僕の目の前で。

 「包帯、新しくしてよね。」
 「あら、もう傷は治ってるわ。何で、つけたままなの?」
 「だって、アロエがつけてくれたから、はずすの、もったいなくて。それに、転ばぬ先の杖。包帯してれば、もう、怪我しないし。」
 「ナンセンスよ。包帯は、怪我してから、つけるの。」

 きっと、夢を見たんだと、僕は思った。朝早く起きて、庭に出た夢を。何だか、とても、リンが恋しくなった。

 でも、歩きかけた僕に、
 「リンちゃんに、よろしく」という、オリーブオイルの精の声がした。まったく、大きなお世話だ。

 ガーリーで、キュートな作品を目指したいと思います。
よろしくお願いします。

 

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