雨降り、滴り落ちるは
ぽつぽつ、髪を飾る珠
袖笠、翳すこともせずに

ただ濡らして、此の儘
微かな音と共に沁み込む様
上着の色、濃く変われば
淡く咲いた花の名を

言い恋い詠う
静かに佇みつつ

彼の日の面影を漂わせた胸は
土の匂いを掻き抱く

雨下映えの華に
捧げたのは命か……


雨降り、呟き落ちるは
ぽつぽつ、君を別つ歌
袖の香、残すだけ去り行く

ただ濡らして、此の儘
僅かな気配をも洗い流せよ
下葉の色、濃く染まれば
青く咲いた花の身を

言い恋い詠う
静かに黄昏つつ

彼の日の面影に惑わされた夢が
露と消えれば軽くなる

振り放け見る空
睫毛に立つ雫よ……


(かな)
「うかばえのはな」

あめふり、したたりおちるは
ぽつぽつ、かみをかざるたま
そでがさ、かざすこともせずに

ただぬらして、このまま
かすかなおととともにしみこむよう
うわぎのいろ、こくかわれば
あわくさいたはなのなを

いいこいうたう
しずかにたたずみつつ

かのひのおもかげをただよわせたむねは
つちのにおいをかきいだく

うかばえのはなに
ささげたのはいのちか……


あめふり、つぶやきおちるは
ぽつぽつ、きみをわかつうた
そでのか、のこすだけさりゆく

ただぬらして、このまま
わずかなけはいをもあらいながせよ
したばのいろ、こくそまれば
あおくさいたはなのみを

いいこいうたう
しずかにたそがれつつ

かのひのおもかげにまどわされたゆめが
つゆときえればかるくなる

ふりさけみるそら
まつげにたつしずくよ……

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【巡音ルカ】雨下映えの華

雨降り
滴り落ちる雫は
雨下に映える華を
ただ静かに濡らして――

――――

イメージは紫陽花が咲いた庭に立っている、古代の貴族の着物を着たルカさん。別れた人のことを惜しんで歌を詠う姫様のような。
「華」は外見の艶やかさ。恋しい君のために美しくあろうと外見を磨くことに費やした時間や労力に対する虚しさ……。
その虚しさと悲しみの涙を「雨」で表しました。


keidaiP様の「【歌詞募集中/バラード】題名未定【巡音ルカ】」の曲への応募用に歌詞を書かせていただきました。
こちらへ→http://piapro.jp/t/1g0o

2012/04/25 歌詞採用していただきました。keidaiP様、ありがとうございました。

閲覧数:304

投稿日:2012/04/17 20:17:01

文字数:656文字

カテゴリ:歌詞

  • コメント4

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  • Yasu(keidaiP)

    Yasu(keidaiP)

    ご意見・ご感想

    仕上げました

    「雨下映えの華」も何度も聴いてると、いいひびきになってきますね

    この度は、良い歌詞をありがとうございました。

    また機会がありましたら、よろしくネ!

    2012/04/28 08:12:18

  • Yasu(keidaiP)

    Yasu(keidaiP)

    使わせてもらいました

    歌詞流し込んでみました。

    ご確認お願いします。

    2012/04/27 22:30:24

  • Yasu(keidaiP)

    Yasu(keidaiP)

    ご意見・ご感想

    「雨下映えの華」は、重要そうなので変更しなくてもいいのですけれど
    聞きづらいというのは、否めないかな
    もし良いのが思い浮かぶようであれば、
    その時に変更するってことで進めますね。

    2012/04/26 20:50:15

  • Yasu(keidaiP)

    Yasu(keidaiP)

    ご意見・ご感想

    お待たせいたしました。

    歌詞採用させていただきます。

    タイトルとおなじ「雨下映えの華」音として認識するのって難しい気がするのですが
    どうなんだろう

    2012/04/25 20:55:32

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