昔は沢山動いていた
ボタンを押せば 動いて
レバーを引けば 流れて
電源を消せば 今日は終わり


作業服に着替えて
今日も昨日と同じことの繰り返し
流して混ぜて溶かして固めて
これは何が出来るのかしら


完成品は最後の機械しかわからない
私は途中の機械だから
途中までしか知らないよ
いつかきっと、完成品を見ることが
出来ると思っていたけれど
今はもう廃墟になっちゃった


そういえば色も色々あった
綺麗な血のような 赤い色
海や空みたいな  青い色
何も感じさせない 黒もあった


水色はまるで誰かの涙
あの子が泣いているのね
変わってあげたいけど
私はこれの作業を続けないと


私の目の前には誰もいない
いるのは自然だけ
私の体を根っこたちが
ゆっくりと私の体を上ってくるの
花も咲いて 蕾も見たわ
今はもう廃墟だけど


こんなにも綺麗で美しい世界を
人間は知らないなんて
勿体無い
雨や鳥や虫の合唱
毎日違うのよ


今は廃墟
だけど また
きっと 誰かが私を動かしてくれるのを
待ってる


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

廃墟

廃墟だけの写真集を見ました
それでこれが出来ました

「私」とは今はもう使われない機械のことです

閲覧数:53

投稿日:2012/05/14 19:51:27

文字数:458文字

カテゴリ:歌詞

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