五月雨（さみだれ）た空がカラッと、傘が仕事おさめる　　おろしたての長靴が　みずたまりをふむ
なきぬれた心に　あなたの微笑み　しみいるほどに雨の匂いを呼ぶ
「どうしてこんなにおくれたのよ」　「ごめん　『チャリス』のケーキおごるから」
「ごまかさないでよ怒ってるんだから」「ゴメンよお　こいつさ」

ねぼけたまなこぬぐって　こねこが顔をあらう
ぬれそぼった背中に　こきざみなおびえ
<間奏　少女戯れ中>

もう映画に間に合わないと　雨上がりを歩く
かじられる親指と　ささえる手のひら
みずたまりに映える　ふたりの微笑み
公園のベンチをぬぐって腰掛ける
「ところでこの子どうする?」「え?きみが飼ってくれないの?」
「うちはアパート、猫はだめなの」「うちもそうさ」
<間奏　アベック喧々囂々中>
五月（さつき）の若葉乱して　カラスのはばたき
目を離した隙の　一瞬の事
迷い出でた子猫が　池へと転がる
カチカチくちばしの　飛び行く下
「どうしてオマエは　（また）溺れる?」
「そうよ悪い子! 怪我はない?」

　「・・・三人で帰ろうか」

****ひらがなバージョン*****

さみだれたそらがカラッと、かさがしごとおさめる　　おろしたてのながぐつが　みずたまりをふむ
なきぬれたこころに　あなたのほほえみ　しみいるほどにあめのにおいをよぶ
「どうしてこんなにおくれたのよ」　「ごめん　『チャリス』のケーキおごるから」
「ごまかさないでよおこってるんだから」「ゴメンよお　こいつさ」

ねぼけたまなこぬぐって　こねこがかおをあらう
ぬれそぼったせなかに　こきざみなおびえ
<間奏　少女戯れ中>

もうえいがにまにあわないと　あめあがりをあるく
かじられるおやゆびと　ささえるてのひら
みずたまりにはえる　ふたりのほほえみ
こうえんのベンチをぬぐってこしかける
「ところでこのこどうする?」「え?きみがかってくれないの?」
「うちはアパート、ねこはだめなの」「うちもそうさ」
<間奏　アベック喧々囂々中>
さつきのわかばみだして　カラスのはばたき
めをはなしたすきの　いっしゅんのこと
まよいいでたこねこが　いけへところがる
カチカチくちばしの　とびゆくした
「どうしてオマエは　おぼれる?」
「そうよわるいこ! けがはない?」

　「・・・さんにんでかえろうか」