「始まりの空」

(1A)
まだ少し　肌寒い空気
胸一杯に吸い込んで
通いなれた道を歩き出す
踏み出す　未来へ一歩

(1B)
春の匂いに胸ときめかせ
夏の日の君に恋をして
秋に沢山思い出ができて
冬にさよならを知った

(1C)
まだ固い桜の蕾は
旅立つその背をそっと押す
やがてほころぶ春の日を
心に　描いて　待ち望む

(1S)
桜　はらり　ほろり　涙　
懐かしい日々
咲いた　君の　笑顔　
決して　忘れないよ
信じた道を進むための
始まりの、別れ。


(2A)
あの日　二人で弾いたピアノ
もう埃を被っているけれど
思い出す　君の指先
紡がれる優しい旋律

(2B)
夢を追いかけていく君の
楽しそうに語る笑顔が
眩しくて　目を細め微笑んだ
名前も知らなかった「気持ち」

(2C)
春に咲いた　花を宿す木は
次の春も　花を付けるけど
同じ花にはもう二度と　出逢えない　
大事な　一期一会

(2S)
夢に　きらり　輝る　瞳　
春の陽だまり
君の　背中　そっと　押すよ　
「歩き出して」
不安に押しつぶされそうになったら
深呼吸、ゆっくり。

(S)
花は　ひらり　開く　ふわり　
春風の中
君に　言うよ　「さよなら」　
そして　「ありがとう」
どんなに沢山泣いたとしても
最後だけは、きっと笑顔で。