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オニノユメ

愛する人間を待つ鬼の話。


「オニノユメ」

宵闇の空が 誘ふ 夜の底は 彼岸の果てか
今頃は 其方もそこで 十六夜の 月を見るのか?

現人の命 短し 泡沫のやうに 消えゆく
いづれまた 廻るのならば 我、ここで 其方を待たん

たとへ この人の世で 我が異形としても
愛づる 想ひは同じ 種を違へても・・・

死の足音が 聞こゆとも 我の手で 斬り捨てん
そう願ひても 今は、もう あのときの夜には 戻れず


風の音を 集め歌うは 其方から 伝わりし歌
いつの日か 共に歌おう その誓ひ 胸に刻んで

我を 鬼と知れども 恐れ、泣くこともせず
ふたり 寄り添い生くと 云ひ 笑いしが・・・

「さようなら、と 泣くのならば 私を喰ひ、貴方の
 血肉骨となり 生きん」と 云い残せど、我は できず


軽くなりし 其方の手で 我は笛を 作りき
乾いた音が 紡がれては、 朝霧の中に 溶けゆく・・・

死の足音が 聞こゆとも その手を 離しはせぬ
いくつ 廻り逝くとしても 我ら、この場所で 逢おうぞ

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投稿日:2009/05/03 01:33:11

長さ:02:18

ファイルサイズ:3.1MB

カテゴリ:音楽

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