虚しさに滲んだ思いの丈を、読み解いてあげられたらいいのに。
ゆらめきに浮かべた孤独の影を、飲み干してしまいたいと思った。
砕いた言葉で語るのは、独り善がりなおとぎ話。
ぼくが夢を見ることのないように、届けておくれ、いつかの波止場まで。
帰る舟を失くしたなら、そのときは、この手できみを渡してあげる。
(開いたこころの隙間から、意をなす泡がこぼれてゆく)
だれも夢を見ることのないように、王女はわらう、眠りの国の底。
夜の風がつめたいなら、それならば、この手できみを――ああ。
ぼくが夢を見ることのないように、届けておくれ、いつかの波止場まで。
帰る場所を失くしてもまだ、時の音は、この手の中できらきらわらう。
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