虚しさに滲んだ思いの丈を、読み解いてあげられたらいいのに。
 ゆらめきに浮かべた孤独の影を、飲み干してしまいたいと思った。

 砕いた言葉で語るのは、独り善がりなおとぎ話。

 ぼくが夢を見ることのないように、届けておくれ、いつかの波止場まで。
 帰る舟を失くしたなら、そのときは、この手できみを渡してあげる。

(開いたこころの隙間から、意をなす泡がこぼれてゆく)

 だれも夢を見ることのないように、王女はわらう、眠りの国の底。
 夜の風がつめたいなら、それならば、この手できみを――ああ。

 ぼくが夢を見ることのないように、届けておくれ、いつかの波止場まで。
 帰る場所を失くしてもまだ、時の音は、この手の中できらきらわらう。

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唄片(うたかた)

戻れないならいっそこの手で

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投稿日:2011/02/26 18:28:05

文字数:318文字

カテゴリ:歌詞

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